「カーブフィッティング」という言葉を抜きにシステムトレードを行うことは非常に危険です。世の中には「この通りにやったらこのような利益が出た」というような良いデータが記載されたシステムトレードが多く出回っていますが、そのなかにはこのカーブフィッティングによって、事実上機能しないシステムが多いのも事実です。
ここでは、このカーブフィッティングの意味や、そのようなシステムを見抜くためにはどうすればいいのかを、わかりやすく解説いたします。

 

「カーブフィッティング」とは?

カーブフィッティング

カーブフィッティング

「カーブフィッティング」とは、システムトレードの売買ルールを、過去の相場の状況にあうように、過剰に最適化することです。ひらたく言えば、統計のパフォーマンスの結果や勝率をよく見せるために、ルールをやたらに追加したり、取引の条件を限定したりして、「システムに都合のいいデータを出してしまうこと」を言え、日本語で「曲線あてはめ」とも言われます。カーブフィッティングとなってしまっているバックテストのパフォーマンスはかなりよいものに見えますが、実際に売買を行うと、長い間利益が出なかったり、取引回数が極端に少なくなってしまうなどして、機能しないことも多いです。

例えば5年連続で大きく上昇し続けている銘柄や指数に対して、買い注文が出やすいシステムを当てはめればよい結果がでるに決まっています。長い期間15000~20000円の株価の推移をしている銘柄を、ただその価格近辺で逆張りをするようなシステムを作れば、数値上はいいものができるでしょう。これはあくまで極端な例ですが、過去の相場の動きはすでに分かっています。それを見て都合のいい数値がでるようなルールを作ることは、そこまで難しいわけではありません。
さらに、自分自身で取引の検証を行う際にも「たまたま」なのか、「今後もその傾向が続く可能性があるのか」には大きな違いがあります。

システムトレードや情報商材などにおいて、このカーブフィッティングに陥っているものが多く出回っているのも事実のため、しっかりとこのカーブフィッティングの理解を高めておくと良いでしょう。

 

 

 

カーブフィッティングのルールができてしまう原因

原因

原因

様々なシステムトレードは、そのルールで実際に売買を行ったらどのような結果になったか、または実際に売買を行ってこのような結果となっているいうような「バックテスト」が行われており、そのデータが公表されています。よりよいパフォーマンスが提示されているものほど魅力的なものに見えるので、システム開発者も、よりよいデータを提示するために、様々な検証を行い、よりよいデータを探します。ただ、本来のシステムトレードの目的は、「今までで素晴らしい結果を残すルールを開発すること」ではなく、「今後の相場で利益をとることができるルールを開発すること」です。そこが気づかない間に「より高い統計数値を出すこと」に特化していまい、片偏りが生じることによって発生していまいます。

「よい数値を出そうと昔の相場の動きに合わせ杉、通常の相場に対応できなくなっていることに気づかない」うちに、このカーブフィッティングのルールができてしまうのです。

※なお、まったく価値のないルールの情報商材も出回っておりますので注意して下さい。

 

 

カーブフィッティングのシステムを避けるために

「過去の相場でそのようになっただけであって、今後もそのような利益を上げられることが保障されているわけではない」ことは、システムトレードの共通のデメリットです
しかし、今後もそのシステム・ルールが成り立つかどうかは、「カーブフィッティング」かどうかを見ていかなかければなりません。

ここでは、システムトレードでの売買を行ううえでも、自分でシステム・ルールを作成するのにも、「カーブフィッティング」を避ける考え方を見てきましょう。

 

 

☝長い期間でのバックテストをされているものにする

カーブフィッティングをさける1つの方法として、なるべく長い期間バックテストが行われているものを使用するという方法があります。自分自身でシステム・ルールを開発する際にも、できるだけ長い期間を見ていくといいでしょう。

相場の状況は刻一刻と変化しています。日経平均先物で考えても、2007年には夜間取引が開始され徐々にその取引時間が延び、日中の寄付が8:45から取引できるようになったことで、ほぼ一日中取引が可能になりました。2006年には日経先物ミニが開始されて少額での取引が可能になり、個人投資家が増えるなかで、技術革新によってさまざまなアルゴリズムが発達し、急激に相場が変動することもでてきました。同時にFXの開始、活性化によって、先物市場から離れた投資家も多くいるでしょう。

そして、今までもたくさんの変化が起きた来たように、これから変化し続けます。長い期間のバックテストを乗り越え、様々な当時の相場乗り越え利益を上げてきたシステムは、今後の新しい相場でも利益を上げ続けることができる可能性が高いと考えることができるのです。

 

 

 

☝「たくさんの短い期間」でのバックテストがされている

長い期間検証されているのと同時に、「その中でも短い期間のバックテストが行われているもの」も、おすすめです。
例えば、「10年間でプロフィットファクターが3.0」というようなすさまじいシステムだとしても、たまたまそのうちの1年間がうまくルールに当てはまる相場であっただけで、それ以外の年はほとんど損失となっているような、「たまたま短い期間出た大きな利益がカバーしているだけ」の可能性もあります。月間ごとのパフォーマンスを含め、ドローダウンにも注意する必要もあります。

長い期間が検証されていればいるほどよいのは間違いありませんが、「たまたまそのときがうまくシステムのルールにはまって利益がでただけ」ということを防ぐために、短い期間でも安定したパフォーマンスを出すことができるシステムがあるとよいでしょう。

 

 

☝売買ルールはシンプルなほうがいい

システムのルールはなるべく少なくシンプルであるほうが、カーブフィッティングを防ぐことができているとされています。特に「このようなときは取引をしない」というような売買を限定するようなルールが多い場合、統計結果をよくするために、過剰に取引実績をよくしている可能性があります。

運用の経験が浅い方は、システムのルールを「プロが考えたのだから、すさまじく複雑で難しいルールなのだろう」と思い、いざ見てみると、「え、これだけなの?」と思う方も多いといいます。しかし、本当に優良なシステムのルールは、非常に簡単なものが多いといわれています。

売買システムが複雑であればあるほど、カーブフィッティングに陥っている可能性が高いといわれており、最適なルールなのかカーブフィッティングなのかを見極める必要があるのです。

 

 

☝なにかの理由がなければ、様々な時間軸、金融商品で応用できる

また、特定の理由がなければ、様々な時間軸や、金融商品で応用できるシステムは、カーフィッティングが少ないといわれています。
FXであれば、様々な通貨ペアで応用できるともいわれます。

そのようなシステムは、相場の本質をつかむことができていると考えることができるからです。

 

 

 

「より良いルールの追加」と「カーブフィッティング」の差は非常微妙

ここまで、システムトレードで気をつけなければならない「カーブフィッティング」について見てきました。システムトレードの本来の目的は「その売買で将来利益を得ること」のため、一概にバックテストの結果だけでは言えません。しかし、システムトレードの作成者は「統計結果をよくしたい」という気持ちがあるのは当たり前です。だから言って過去の状態の合わせすぎると、結果がいいのはあくまでその期間においてだけで、最終的にはそのシステムのパフォーマンスを邪魔することとなってしまいます。

「システムをよりよくし、将来利益をさらにあげるためのもの」なのか、「ただ過去の数値をよく見せるものなのか」という非常に曖昧な区別を見ていかなければならないのです。

実際に自分で検証ルールを作る際にも、このカーブフィッテングには注意して検証を進めていかなければなりません。

しかし本来システムトレードには様々なメリットがあり、資産を増やす方法として非常に有効です。しっかりとシステムトレードの理解を深めて、資産形成の選択肢として行っていくといいでしょう。