損益計算書から算出できる「売上高伸び率」を分析することで、企業の規模や、その企業はどのような成長をしているかを分析することができます。
しかし、この売上伸び率による分析は、ほかの指標を含め、様々なことを考慮して考える必要があります。
ここでは、「売り上げ伸び率」について、わかりやすく解説します。

 

「売上高伸び率」とは

売上高伸び率の図解

売上高伸び率の図解

「売上高伸び率」とは、「売上高成長率」とも呼ばれ、決算の発表期の売上高が、前の期間に比べてどのくらい伸びたのかを表す指標のことで、「企業の成長性・規模が拡大しているかどうかを判断する」際に使用される指標と言えます。

売上高伸び率の算出に必要な、売上高は「その企業の本業によって稼いだ金額」を、意味するため、この売上高伸び率が高ければ高いほど、その企業の本業の売上が増え、マイナスになればなるほど、前期に比べて売上高が下落したことを意味しています。
なお、前の期間より売上高が大きくなることを「増収」、少なくなることを「減収」といいます。

また、売上高伸び率は単純にみるのではなく、5年や10年といった、中長的な数字の変化を分析する必要があります。

なお、財務諸表の「損益計算書」を比較することで、この売上高伸び率を算出することができます。

 

☝売上高伸び率の計算方法

売上高伸び率=(当期売上高ー前期売上高)÷前期売上高×100

 

 

 

売上高伸び率は「なぜそうなったのか」が重要

売上高伸び率で企業を分析する際には、「なぜそのように変化したのか」を考えるのが重要です。

たとえば、売上高伸び率が大きく上昇した企業があったとしましょう。
その原因が新しく出した新商品が大きく売り上げを伸ばした場合や、取引先との取引が拡大したような場合、その企業の成長によって売上高が増加したと考えれます。

また、その企業の本業の業界全体の売上が伸びた可能性も考えられます。その場合、その業界にいることは評価されるといいますが、もし同業他社よりも上昇率が下回っていれば、事実上の売上高やシェアの低下を意味してしまいます。

上場企業の場合、決算の速報ともいえる「決算短信」冒頭の部分に、「なぜこのように業績が変化したのか」が記載されておりますので、その部分を参考に、総合的に判断してください。

 

 

増収=業績がよくなったとは限らない

また、売上高伸び率が高かったからといって、単純にその企業の業績がよくなったと考えるのは不適切です。
売上高伸び率の計算のもととなる、「売上高」は、商品やサービスが売れたときに計上されます。しかし「その時にお金が入ってきているかどうかまではわかりません。」
つまり、売上高が伸びていたとしても、まだその金額を回収していない可能性があるのです。
ここを見るためには、同じ財務諸表である、「貸借対照表」の「売掛金」または「受け取り手形」の部分を見なければなりません。
また、多くの在庫を抱えている可能性もあります。

さらに、借入金が著しく増加していたりする場合や、その売上高の成長に、企業の財務状況がついていけない可能性、会計処理の方法が変化した可能性も考えられます。

 

 

 

 大企業になればなるほど、売上高伸び率は伸びにくい

売上高伸び率は、単純に売上高の推移で計算するため、分母となる売上高の規模が大きくなるほど、同じ割合を成長させるにも、多くの売り上げを生む必要があります。
企業が成長するときには、売上高伸び率は大きく成長しやすいですが、ある程度規模が成長すると、その伸び率は低下してくる傾向があります。

 

単純に売上高伸び率の推移を見て企業の成長力を判断するのではなく、数年間の推移や、その企業の業界全体、ほかの財務諸表などを含め、総合的に分析するようにしましょう。