株式に関するニュースでよく出てくる、「想定為替レート」について、初心者にもわかりやすく解説していきます。想定為替レートを理解することによって、運用の判断材料とすることができます。

 

想定為替レートとは?

想定為替レートとは、想定レートともいわれ、輸出や輸入を行う会社が、業績の見通しや計画などを決める際に、あらかじめ決めておく為替レートのことです。たとえば、日本の国際優良銘柄のトヨタは、1円円高に進むだけで、事実上の400億円の損失がでてしまうといわれるなど、大規模な輸出入を行う企業では、為替相場の変動によって、大きくその期の業績が変動します。

しかし、為替相場を確実に予想することは不可能なものの、それでは業績や見通しを立てることができないため、「この見通しは、このような為替水準として考えています」という「想定した」レートということができます。

なお、一般に想定為替レートは、各企業が独自にその直近の為替相場を分析・予測したうえで、その年のドル円相場、ユーロ円相場などを設定します。そのため、日本の企業が全体として1つの水準を出すものではありません。

 

IR情報などの決算書類などで、各企業がいくらに設定しているのかは発表されており、かなり企業によって差異があるため、見てみてもいいでしょう。

なお、為替相場が想定以上に大きく変動した場合などに、その事業年度中でも変更されることはあります。

 

 

日銀短観の想定為替レート

日本銀行

日本銀行

各企業が発表している想定為替レートのほか、日本銀行が公表している日銀短観に想定為替レートも存在します。

日銀が発表する想定為替レートは、大企業・中小企業の製造業、非製造業の約1万社を調査対象にしており、日本企業全般の想定為替レートの傾向をつかむのに適しています。

 

 

想定為替レートの分析方法

想定為替レートは、企業は「このくらいの為替レートで想定している」というもののため、現時点での為替水準がそのレートよりも円高なのか、円安なのかによって、業績を分析することが可能です。

 

 

☝輸出企業の場合

輸出企業の場合、想定為替レートはよりも円安となった場合、為替差益が発生し、その分収益が上がります。
逆に、想定為替レートよりも円高となった場合、為替差損が発生し、収益が押し下げられることになります。

なお、輸出企業は特に、この想定為替レートを控えめに予測し、株価の上振れ余地を残しておく傾向があります。

 

 

☝輸入企業の場合

輸入企業の場合、想定為替レートはよりも円高となった場合、為替差益が発生し、その分収益が上がります。逆に、想定為替レートよりも円安となった場合、為替差損が発生し、収益が押し下げられることになります。