企業の「稼ぐ力」をみる指標の1つである「売上原価率」は、算出方法はシンプルでありますが、数値の高い低いというだけでは判断できません。
ここでは、「売上原価率」について、算出方法や注意点について、わかりやすく解説致します。

 

売上原価率とは

損益計算書の概要

損益計算書の概要

売上原価率とは、「売上高のうち、どのくらいが売上原価かを示す比率」のことです。売上原価率が高ければ高いほど、売上高のうち原価が占める割合が多いため利益が出にくいビジネスモデルといえ、低ければ低いほど、原価が安く利益が大きくなりやすいビジネスモデルと考えることができます。
売上原価率を下げるには、仕入れた製品に大きく付加価値をつけるか、そもそもの原価を下げるという必要があります。

また、この売上原価率と相反する関係にあるものが、「粗利益率(売上高総利益率)」であり、売上原価率と粗利益率を合計すると100%になります。つまり、この「売上原価率」か「粗利益率」で、企業の本業の稼ぐ力をみることができます。

☝売上原価率の計算式

売上原価率の計算方法は、以下の通りです。

売上原価率(%)=(売上原価÷売上高)×100

 

 

売上原価率の適正水準

売上原価率は、業種や業界によって大きく訂正と言われる水準が違うだけでなく、企業ごとに大きく異なるため、「このくらいにしたほうがいい」という水準が言いにくい指標でもあります。
ここでは、いくつかの業界の一般的な売上原価率を紹介しますが、あくまで「例」ととらえ、「なぜその水準になっているのか」を最も重視するようにしましょう。

☝飲食業界:20%程度

飲食業界は、売上原価率は20%程度が水準と言われています。しかし、30%程度の原価率にしている企業もあります。売上原価率を高くする場合、回転率を上げる方法があります。

☝卸売業界:80%程度

卸売業界は、ビジネスモデルからしても、売上原価率が高くなりやすいです。
規模も大きい中で、流通経路などを工夫する必要があります。

☝小売業界:50%~75%

同じ小売業界とっても、ネットなどの通信販売は50%程度、スーパーマーケットは75%程度と、業態や顧客層によっても大きく異なります。
ここ数年では、小売業界が原価率を下げるために、オリジナルブランドを自社で製造したりという動きもあります。

 

 

売上原価の「トリック」に注意する

売上原価率の分子に当たる「売上原価」は、「売り上げたぶんにかかった原価だけ」が計上されます。つまり、売上原価率は低いものの、たくさんの在庫を抱えてしまっている可能性があるのです。企業の在庫は、貸借対照表の「たな卸資産(在庫)」の「商品および製品」「仕掛品」「原材料及び超品」などの勘定科目に計上されていますので、合わせてみるようにしましょう。

☝たくさん作るほど、売上原価が安くなる理由

売上原価に関し、「作れば作るほど、製品1つあたりの原価が安くなる可能性がある」です。

  1. 原材料などの仕入れは、大量に仕入れるほど安くなることがある
  2. 1つの商品あたりの人件費や減価償却費や賃貸慮などが安くなる

大量に仕入れることで、1つあたりの売上原価が減少
⇒しかし販売量は増えず、在庫を大量に抱えている
⇒損益計算書上は、売上高が下がったようにとらえられる
となっている可能性があります。