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「株」「株式会社」とは?初めての人にもわかりやすく解説!

「株式とはなに?」と質問されると、なんとなく聞いたことはあっても、しっかりと説明することができる人は少ないのではないでしょうか?

日本のほとんどの企業が「株式会社」である以上、株式とかかわらずに生きることは不可能です。

ここでは、「株式」がどのように成り立っているのか、株を買うことで何が得られるのかを、わかりやすく解説します。

株式は「会社がお金を集めるため」に発行するもの

株式は「会社がお金を集めるため」に発行されます。

会社は、事務所や工場などの設備の準備、モノやサービスを生み出していくというような活動をするために、お金が必要になります。その会社の活動のためのお金を「資金」といいます。

株式会社が資金を集める方法は、大きく分けると以下の2種類と言えます。

  1. お金を借りる
  2. 株式を発行する

それぞれを詳しく見てみましょう。

①お金を借りる

融資

融資

企業がお金を集める方法として、「お金を借りる」という方法があります。

この場合、銀行などの金融機関からお金を借りれば、その額に利子をつけて返さなければなりません。さらに、銀行も、ある程度成功する保証がない会社にお金を貸してくれるわけがありません。

企業が発行する債券のことである、社債という方法を用いえても、そのお金を返さなければならないのは変わりありません。

②株式を発行する

出資の流れ

出資の流れ

もう1つのお金を集める方法は「新しく株式を作り、お金を集める」方法があります。

ものすごく簡単にいうと、「自分たちの企業のために、お金を出してください。出してくれた方には、株式を、お金を出してくれた証明書として渡します。もしそれで会社が儲かれば、株式を持っている方には、その儲かった分を配分します」という募集をかけるということです。そして、その株式と交換して集められたお金が、企業の「資本金」となります。

そして、株を発行することによって集めたお金は、返す必要がないのです。

なお、現在株式は、完全に電子化されています。

株式会社は、株式を発行して、より多くの人から資金を集め、その資金で世の中により良いモノ・サービスを生み出していきます。

そして、そのモノ・サービスの提供によって設けたお金を、出資してくれた株主にお礼として返したり、よりよいモノ・サービスの提供のために投資しているのです。

株式を買うこと=企業の事業資金を提供する出資者になること

株式を買うことにより、その会社に資金を出した人のことを「株主」といいます。
株式会社を言い換えると、「株主で構成された会社」と言い換えることもできます。

そのため、株主となっている企業の業績が良ければ、「配当」を受け取ったり、その会社の商品や商品券といった「株主優待」をもらうことができます。

株主総会に出席することにより、会社の経営に意見する権利を持つことができます。正確には、実際に企業の経営を行うのは、経営陣ですが、会社の意思決定に参加できます。

持っている株式の多さ(持ち株比率)に応じて、その企業を買収することもできます。

1株以上 議事録閲覧権、株主代表訴訟
100株 1単元(100株)につき1票の議決権
1% 株主総会にて議案提出権
3%以上 株主総会の招集、会計帳簿や経営資料などの閲覧が可能
33.4%(1/3以上) 拒否権、(特別決議を単独で阻止することが可能)、黄金株は拒否権付き株式
50.1%(1/2超) 経営権、株主総会の普通決議が可能、役員や監査の選任、余剰金の配当
66.7%(2/3以上) 支配権、株主総会の特別決議が可能、定款の変更、合併や会社分割・株式交換の承認
100% 完全経営支配権、株主に制約がなく全ての権利を行使可能

 

すなわち、「株式会社」は、社長のものではなく、「株主」のものなのです。

⇒株式会社の起源

株式会社の起源といわれるのは、中世オランダの「東インド会社」と言われています。

当時、航海によってインドへ向かい、香辛料などを輸入するのが一代ブームとなっていました。
しかし、当時の航海技術では、成功率は20%程度であるうえに、非常に大きな資金がかかったため、一人で行うには大きなリスクがありました。

そこで、何人もで資金の負担して、航海に失敗した際の損失を分担する代わりに、利益を得ることができれば、その出資額に応じて分配することにしました。

これが、株式会社の始まりと言われています。

株主の責任は、出資額以上の責任は負わない

「会社は株主のもの」であり、その会社の活動の元手を出しているため、会社の出した利益を配当としてもらう権利をもっています。

しかし仮に会社に何があっても、出資額以上の責任を負うことはありません。株主となっている会社が倒産したとしても、その株式が紙くずになるだけであって、その会社に積もり募った借金を負担することはないのです。これを「株主有限責任の法則」といい、出資額以上の責任を株主が負うことはありません。

たまに「株で失敗して大きな借金を負った」というような話をきくことがありますが、仮に多くの資金を用いて株式を購入しても、そのときに出資した額以上の損失を追うことはありません。

株式投資で借金を背負うとすれば、以下のようなパターンです。

  • 信用取引で、自分が持っているお金以上の額を投資した
  • 空売りを行った
  • 借金をして株式に投資した
  • 先物やFXなどのレバレッジがかけられる金融商品に投資して失敗した

ちなみに、会社が倒産したときには、会社に残った財産を分配してもらう権利である、「残余財産分配請求権」があります。

☝株式のここはおさえておこう

株式に関しては、以下のことはおさえておきましょう。

  • 株式は、会社がお金を集めるための手段である
  • 会社は、会社の出資者である「株主」のものである
  • 株式を購入しても、出資額以上の責任は負わない

次に、どういった株式が売買されているのかを学んでいきましょう。

「上場」「上場企業」「非上場企業」についてわかりやすく解説!

株式が売買できる場所
 

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