経済に関するニュースを見ていると、「時価総額○○億円」というような表現をみることが多いかと思います。
結論から言えば、時価総額とは、株価に発行済み株式をかけた数値であり、企業の価値を評価するための指標の1つで、時価
総額の理解を深めることで、投資の銘柄対象の判断にも役立ちます。
ここではこの「時価総額」について、学生や経済の知識がない方でも、わかりやすく解説します(^^)
時価総額とは?わかりやすく解説!

時価総額の図解
時価総額とは、「現在の株価×発行済みの株式の数」のことで、企業の価値を表す指標の1つです。
⇒「株式」とは?わかりやすく解説!
例えば、現在の株価が500円、発行済み株式が1億株の企業の場合、500円×1億で、時価総額500億円となります。
時価総額は、事実上のその企業の現在の価値を表す指標の1つです。
株価の値段の決定方法からも、時価総額は将来の成長に対する期待も表しています。
⇒「株価が決定するたった1つの理由
「株価だけでは企業の価値は判断できない」

投資の勉強を始めたばかりの人は、「株価が高いほどいい企業」というようなイメージを持ってしまうことがあります。
例えば、
- A社は1株500円:発行済み株式1億株
- B社は1株10000円:発行済み株式が1万株
となっていた場合、各企業の時価総額は、
となり企業の価値はA社のほうが遥かに大きいことになります。
すなわち、株価が仮に安かったとしも、株数に圧倒的な差があれば、会社の規模としては大きな価値を持っていることになります。
「株式分割」など、1株当たりの株価は下がるものの、企業価値自体は上がるものもあり、一概には株価だけでは判断できません。
「その企業は、いまどれくらいの価値があるのか」という疑問に対して、一概に資本金や売上高だけでは判断しにくいです。
株価自体も、将来の価格も考慮されていますが、「時価総額」以上に適切な企業の物差しも存在しません。
「株価×上場株式数」とする場合も

企業によっては、発行している株式の数と、上場している株式の数か異なっている企業があります。
そういった企業の時価総額を、「株価×上場株式数」とする場合もあります。
⇒「上場」「上場企業」とは?わかりやすく解説
時価総額は、市場規模に使われることもある

時価総額は、企業単位だけでなく、市場単位を表すのに使用されることもあります。
例えば、「東証一部の時価総額」という表現をした場合、東証一部に上場している企業の時価総額を合計したものです。
⇒証券取引所とは?
これが、証券取引所の規模を図る目安になります。
時価総額と株価の変動の関係性を解説

時価総額と株式の関係性
時価総額は、株価の変動要因を考えるにも役立ちます。たとえば、ある会社に対し、好材料が出たとします。
その影響によって、どの程度株価が変動するかは、その企業の時価総額に大きく関係しています。
時価総額が大きい企業ほど、安定した値動きをしやすく、時価総額が小さいほど、大きな変動をしやすいです。
また、時価総額が大きいほど流動性が高く、時価総額が小さいほど流動性が低いということも併せて押さえておきましょう。
⇒「株価の流動性」とは?わかりやすく解説
TOPIXは、時価総額の高い企業に影響されやすい
TOPIX(東証株価指数)は、東証(東京証券取引所)1部に上場している役1700社すべての銘柄の株価を基に計算されています。
⇒証券取引所とは?わかりやすく解説
そのため、TOPIXは、この時価総額の大きい企業の株価の変動に受けやすいという特徴を持っています。
ちなみに、日経平均株価は、株価が高い「値がさ株」の影響を受けやすい特徴があります。
⇒日経平均株価とは?わかりやすく解説
日経225先物、TOPIX先物を運用する場合は、このことをしっかりと覚えておきましょう。
時価総額が高い代表的日本企業
時価総額が高い代表的な日本企業として、以下のような企業があります。
- トヨタ
- 三菱UFJ
- NTT
- ドコモ
- ソフトバンク
- キーエンス
- KDDI
- JT
- ホンダ
- 三井住友