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「リスクリワードレシオ(ペイオフレシオ・RR)」とは?わかりやすく解説!

【0から理解】リスクリワードとは「損益レシオ」「ペイオフレシオ」「RR」とも言われ、自身のトレードやシステムトレードがどのような売買スタイルなのか、どう改善していけばいいのかを考えることができる重要な指標です。この数式を実際のトレードに当てはめることで、さらにトレード結果を向上させることができます。

ここでは、「リスクリワード」はどのようなものなのか、どのように見ていけばいいのかを、わかりやすく解説していきます。

 

 

リスクリワードとは?

リスクリワード

リスクリワード

リスクリワードとは、「損益レシオ」「ペイオフレシオ」「RR」「プロフィットレシオ」とも言われ、「利益となったトレードの平均利益額が、損失となるトレードの平均損失額の何倍か」を表しています。

「損を小さく、利益を大きく」という言葉を表せば、このリスクリワードレシオは大きくなり、損が大きく利益が小さい売買ほど、このリスクリワードは小さくなります。

なお、投資においてより多くの利益をよくするといった、トレードを向上させるには、

  1. 勝率を上げる
  2. リスクリワードを上げる

という2つの方法しかありません。

 

 

☝リスクリワードレシオの計算式

リスクリワードレシオは、以下の計算式によって導き出されます。

リスクリワード=平均利益÷平均損失

つまり、RRが1.0を超えた場合は平均利益が平均損失よりも高くなり、1.0を下回った場合は、平均利益が平均損失よりも小さいということを表します。

 

 

☝リスクリワードが高い=よい売買ルールとは限らない

リスクリワードが高くなればなるほど、平均の利益よりも平均の損失よりも大きくなるため、損失のリスクが小さいのに対し、多くのリターンをとっていることになります。しかし、リスクリワードが高ければ、良い売買をしているとは決して言いきれません。ある意味、リスクリワードが高ければ、勝率が50%以下でも、通算していくことで資産を増やしていくことができます。また、リスクリワードが低かったとしても、一定以上の高い勝率を誇っていれば、資産を増やしていくことも可能です。「リスクリワードは勝率と組み合わせて考える」ことが必要です。

 

 

 

リスクリワードの見方・分析方法

上記のように、リスクリワードは、単に数値だけで判断するのではなく、「勝率」を組み合わせて考えることが重要です。なぜなら「その売買を続けていった場合、資産がどのように変化していくか」を推測することができるからです。下手をすれば、どんなにいい売買だとしても「同様のスタイルで売買を続ければ続けるほど、資産が減っていく」危険性すらあるのです。ここでは、リスクリワードと勝率の関係性について、それぞれどのように変化するかを見ていきましょう。

 

 

 

☝リスクリワード2.0(1:1)の場合

リスクリワード1対1

リスクリワード1.0(1:1)の場合

「リスクリワードが1.0(1:1)の場合、平均利益と平均損失が同じ」ということです。あたり前のことですがこの場合、「利益を出し続けるためには、勝率が50%を超える必要」があります。

同様の売買を続け、勝率が50%を超えれば、上記の図のように資産が増加していきます。逆に勝率が50%を下回っていった場合、運用を続ければ続けるほど、資産が減ることになります。
勝率を上げるか、リスクリワードを高める方法を考える必要があるでしょう。

 

 

 

 

☝リスクリワード2.0(2:1)

リスクリワード2.0(2:1)

リスクリワード2.0(2:1)

リスクリワードが2.0(2:1)ということは、「平均利益が、平均損失の倍の状態」と言えます。この状態であれば、勝率は50%だとしても、十分な売買です。理論上は、勝率33.3%以上でも資産を増やしていくことができます。つまり、リスクリワードの数値が高ければ、勝率は低かったとしても、資産高を増やしていくことが可能といえます。

 

 

☝リスクリワード0.2(1:5)の場合

リスクリワード0.2(1:5)

リスクリワード0.1(1:5)

「リスクリワードが1.0を下回っているということは、平均利益よりも平均損失が大きい」ということです。RRが0.2ということは、「平均損失が平均利益の5倍」ということを意味しています。「利小損大」の状態ということができます。つまり勝率が50%だとすると、瞬く間に資産が減っていきます。非常に高い勝率を維持しなければなりません。

 

なお、このようなリスクリワードとなる場合、「狙って、または十分にリスクを把握してそのようになっているのか、それとも結果的になってしまっているのか」が非常に重要です。心理的に損切の幅が広いと、利益確定が小さくなってしまう人がいます。もし意識せずにこのような状態となっている場合、小さく積み重ねてきた利益を一度の損失で大きく減らしてしまう可能性を秘めています。

 

また、運用経験がまだ少なかったり、逆張りを好むトレードの場合、自然とこのようになりやすいです。さらに勝率も自然と高くなりやいいため、ここで落ち着いてしまう場合が危険です。それまでの運用結果やリスクリワードに表れていなかったとしても「たった1回の売買で大きな損失を被り、リスクリワードが大きく悪化してしまう」場合、一気に資産を失う可能性があります。

このようなスタイルでの売買が得意なトレーダーもいることは事実ですが、損切を徹底し、慎重に売買を行うようにしましょう。

 

 

 

 

システムトレードにおけるリスクリワードレシオ

システムトレード

システムトレード

システムトレードを評価する上でも、このリスクリワードレシオは重要です。
上記の勝率との図を参考に、どのような傾向の売買ルールなのかを考えていきましょう。基本的には、「リスクリワードが高いほど勝率は低く、リスクリワードが低いほど勝率が低い」となることが多いため、そこで傾向はつかめます。

リスクリワードだけでなく、ほかにもシステムトレードを見る上では、

などを総合的に判断していきましょう。

 

 

定期的にリスクリワードを算出するようにしよう

今までのように、リスクリワードは、平均利益と平均損失の割合を表しており、勝率と組み合わせて、その売買の特徴などをつかむことができます。また、自身のリスクリワードは、定期的に算出するようにしましょう。完全に感情を取り除いてルール通りに売買を行わない限り、資産状況などによって、徐々に運用の結果やスタンスは気づかない間に変化してしまうものです。

よりよい利益を出すためにも、運用結果や勝率だけでなく、このリスクリワードも算出して、自身の売買を見直してみるといいでしょう。

 

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