これから資産形成を始める人向けの
投資情報サイト

テクニカル分析講座

ATRの原理と使い方【テクニカル分析解説】

ATR
(Average True Range)

ATR(Average True Range)

ATR(Average True Range)

ATRとは、
「Average True Range」の略で、
ボラティリティを計るテクニカルチャートです。

 

日本ではマイナーな部類なチャートに分類されますが、
海外の投資家には高い人気を持っています。

このATRは、DMIの計算式にも用いられています。

 

 

ATRの計算式

TRの図解

TRの図解

ATRは、
「Average True Range」というその名前の通り、

TR(トゥルーレンジ)の移動平均(EMA)』です。

 

TRは、前日との窓も考慮した値幅となります。

 

ATRは、これを移動平均としているので、
ボラティリティの目安の推移を見ていくことが
できます。

 

 

 

ATRの分析法・使い方

ATR(Average True Range)

ATR(Average True Range)

◆ATRでのボラティリティ判断

 

ATRは、
ボラティリティ
どのように推移しているか」
を見ることができます。

すなわち、設定期間内のボラティリティの目安や、
現在のトレンドの方向に対して、
その動きにどれほど勢いがあるのかを表しています。

 

・ATRが上昇している場合

 

ATRが上昇しているということは、
短期的にトレンド方向への勢いが強く、

現在のトレンドがまだ継続する、
又は、新しいトレンドが発生したという可能性を表しています。

 

すなわち、ATRは株価の方向性を表すものではなく、
上下どちらの変動かは関係なく、
ボラティリティを示しています。

 

また、
もしATRが急上昇している場合

それは非常に大きな値動きをし始めたことを意味しており、
何かサプライズが発生するなどして、
パニック相場となっている可能性があり、
急激な乱高下をすることがあるので、注意が必要です。

 

 

・ATRが下降している場合

 

ATRが下落しているということは、
現在のトレンド方向への勢いが弱まっており、
トレンド転換の可能性を表しています。

 

また、続いて来たトレンドが終了して関する場面において、
値動きが大きくなることもよくあるため、
ATRが一度天井を付けてから下落に転じる前後に、
トレンドが反転することもよくあります。

 

 

・ATRが横ばいの場合

ATRは横ばいに推移しているということは、
価格の変動幅が安定していることを意味しています。

 

すなわち、ATRが低い状態で安定していれば、
低い変動幅で推移していることを示すため、
もみ合い相場と考えることができます。

 

 

 

◆ATRでの利確・損切り設定

ATRは、利益確定や、
損切りの値の目安の算出に使用することができます。

 

ATRの計算式から、ATRの値幅分の価格は、
その後動く変動幅と考えることができます。

 

これを利用し、
エントリーした価格から、ATR分、
またはATRの数倍を、

損切りのラインとして設定することで、
「想定される値動きも大きく予想と逆に動いた場合に損切り」という、
エグジッド条件を出していることになります

 

同じように、ATRを使用して利確を設定した場合、
「想定される値動きくらい動いたら利確」となります

 

両方とも、その時のボラティリティに応じて、
設定する幅が変わるため、
『相場の状況に対応したエグジッド』ができるようになります。

 

 

 

◆ATRによる資金管理

ATRが高いことは、ボラティリティが大きく、
低いときは、ボラティリティが低いことを意味しています。

 

特に、先物取引やFXなどにおいて、
ATRが高い時には、エントリーする枚数を減らす、
低い時には増やすなどのルールを作ることにより、
相場状況に対応した、
リスクコントロールをすることができます。

 

関連する記事