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ブレークイーブン効果とは【投資家が気を付けるべき心理学】

ブレークイーブン効果の解説と投資家の注意点

 

ブレークイーブン効果とは、
「なにか損失を受けると、
その損失分を取り返そうとして、
普段よりも積極的にリスクを取ろうとする」
という心理状態のことを言います。

(⇔スネークバイト効果)

 

ちなみに、ブレークイーブンとは、
本来ビジネスにおいては、
費用と利益が一致する、
「損益分岐点」を意味しています。

 

投資家が注意をしなければならない心理学の
1つですので、これがどういったものなのか、
どう対応すべきなのかを理解しておきましょう。

 

 

 

ブレークイーブン効果の具体例

例えば、
現在100万円を口座に入れており、

それを130万円に増やすリスクを負ったものの、70万円になってしまったとします。
(※この数字は説明の為のものです)

 

そしてこの後に、
「この時に損失となった30万円を取り返すような投資を行おう」
と考える人は多くいます。

 

しかし、最初の取引、及び次の取引は、
「目指すリターンは30万円で同じ」ですが、
あきらかにリスクが高まってしまっています。

 

金融商品では、基本的に、
ローリスクハイリターンはありえません。

大きな利益を得るためには、
それに見合ったリスクを負う必要があります。

 

上記の例において、最初の取引は、
100万円を130%にすれば、目標は達成されました。

しかし、そのあとの取引では、
70万円を130%にしても、91万にしかなりません。

70万円を100万円にするには、
約143%増やさなければならないので、
さらに大きなリスクを負う必要があります。

 

無意識のうちに、
損失を取り返そうと考えてしまい、

多くのリスクを負おうと考えていまうのです。

 

競馬やパチンコなどだけではなく、
自分が思った通りに物事が進まないことが続いたときに、
半分やけくそで、本来行うべきでない考えをしてしまう
こと
などがあったかもしれません。

このような効果はまさに、
ブレークイーブン効果の典型例ともいえることができます。

 

 

 

ブレークイーブン効果との付き合い方

当たり前のことですが、
「投資の世界で100%はあり得ません。」

 

これは言い換えると、損失となることが必ずある
ということがあるということです。

 

例えば、現在が4月25日だとして、
「4月は統計で損失の方が多かった」としましょう。

 

その際に、
「今月はせめて利益で終えるようにしよう」と考えて、

「普段であったらエントリーしない場所」にて、
エントリーをしやすくなってしまいます。

 

月間のパフォーマンスがマイナスの時だけでなく、
「目標とするパフォーマンスに現時点で届いていない」
時などにも、焦りなどからこの現象が起こりえます。

 

 

しかし、双方ともに、
「個人の投資額やこれまでの損失額などは、
原則株価を動かす要因にはなりえません。」

 

 

それに、
「普段エントリーしない場所」というのは、
利益がでる可能性が低いと考えている、
まだ取引をするほどの検証ができていない、
その売買法が得意ではないなど、
なにかしらの理由により、
売買をしていないということになります。

 

それなのにも関わらず、
損失を出してしまったときに、
その利益を取り返そうと、

合理的な判断が鈍ってしまうことが、
ブレークイーブン効果と言われています。

 

損失を出してしまったことは、
もうどうしようもなく、
勉強料と捉え、次の取引に生かすしかありません。

 

 

もし資産運用を行っているときに、
思った通りに資産高が伸びていかなくとも、
それを無理に取り返そうとするような取引は
行わないようにすることが賢明です。

 

損失は損失と認めないと、
知らず知らずの間に、
大きなリスクを負ってしまうことがあります。

 

『自分の直近の損益状態に焦ることなく、
冷静に、しっかりと検証を行ったうえで、取引を行いましょう。』

 

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