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「ドローダウン」「最大ドローダウン」とは?投資初心者にもわかりやすく解説!

【徹底図解】「ドローダウン」「最大ドローダウン」という言葉について、しっかりと理解していますか?
ドローダウンは、自分自身で運用する場合はもちろん、投資信託のポートフォリオを組む際にも、システムトレードをするうえでも、現在の資産管理状況を把握するうえでも、必須といえる概念です。

ここではこの「ドローダウン」「最大ドローダウン」について、資産形成初心者にもわかりやすく解説いたします。

ドローダウンとは?

ドローダウンの図解

ドローダウンの図解

ドローダウンとは、「一時的に最大資産から落ち込んだ下落率、損失額のこと」です。平たく言えば、口座に入っている「資産からどれくらの損失が出たか」とも言い換えることができます。

上の図は、ある人の証券口座の資金の変動額です。この人は、当初100万円で運用を始めたにも関わらず、1年間で400万円まで資産を増やすことができました。しかし、だからといって、毎回毎回利益を上げ続けてきたわけではありません。上の図の赤矢印の部分のように、資産が減るとこともあります。例えば、8月から9月にかけては、300万円が200万円に下がっており、ここのドローダウンは、33%ということができ、4月から5月にかけては、125万円が75万円まで下落していますので、ドローダウンは40%と考えることができます。

運用において、その資産がドローダウンの金額分少なくなる可能性があるということです。

また、相場において最も避けなければならないことは、「一度で大きな金額の損失を出してしまい、運用ができなくなること」です。裁量取引においても、このドローダウンはなるべく低くなるように意識する必要があります。あらかじめこのドローダウンを「損切目安」として設定してしまい、大きな損失を抑えるという方法もリスク管理として使用されることもあります。

 

 

☝ファイナンスの世界では意味が変わる

ドローダウンは、金融などのファイナンスの世界では、「融資の開始」「リース開始」「資金実行」などを意味します。英語においても、ハイフンを入れずに「draw down」とすると、「引き倒す」「縮小する」という意味に代わってしまうため混乱する方もいますので注意しましょう。

「最大ドローダウン」とは

最大ドローダウンの図解

最大ドローダウンの図解

最大ドローダウンは、「最大資産からの最も大きい下落率のこと」を示しています。

上記と同じ図で見ていくと、最大ドローダウンは率でいえば4月から5月のー40%、金額でいえば8月あら9月のー100万円に見えるかもしれません。しかし、よく見ると、9月から10月も損失を出しており、合計すると、8月から10月にかけて、150万円の損失をだしており、8月の300万円から50%も資産高が下落したことを示しています。最大ドローダウンは、最大資産からも最も大きい下落率のため、この部分が該当し、さらにもし11月も損失となっていれば、さらに最大ドローダウンは拡大していってしまうことになります。

システムトレードではドローダウンは重要

システムトレード

システムトレード

このドローダウンは、「システムトレード」をする場合に非常に重要な概念になります。たとえば、どんなに累計のパフォーマンスが素晴らしいもので、高い勝率を誇っていたとしても、システムトレードは、「何度も取引を重ねていく中で、過去同じ取引をしていけば、このような利益となる」ものです。

極端な言い方をすれば、「マーチンゲール法」とも言われるギャンブルの必勝法を用いれば、投資の必勝法のように見せかけることも可能です。先物取引やFXなどで「損失となった場合、もともとの投資額の倍額を投資する」ことを続けれることで、数値上は必ずプラスにすることができます。しかしそれは「資産がなくならない」ことが前提で、実際の応用に応用することは難しいでしょう。または、利益確定ラインを非常に短く、損切ラインを遠くに設定すれば、異様に高い勝率を持つシステムもあるかもしれません。

しかし、このようなシステムは、1回の損失で大きく資産を減らしてしまう可能性も秘めています。さらに、この最大ドローダウンもあくまで「統計期間中」の話です。つまり、運用中に最大ドローダウンが更新することもあり得ます。バックテスト期間とドローダウンを合わせてみていくようにしましょう。

「システムトレード」とは?メリットやデメリットを誰にでもわかりやすく解説!

 

「資金管理」のためにドローダウンを意識しよう

資産運用で大事なことは、「資金管理」と言えます。

事実「マーケットの魔術師」という異名をもった投資家、マーク・シュワルツは、「最も重要なのは、資金管理。資金管理。資金管理。成功した人は誰でも同じことを言うはずだ。」という名言を残しているだけでなく、多くの著名投資家が似たことを言っています。

そのためにこのドローダウンは、非常に重要な概念です。成長の割合は少なくても少しずつでも拡大し、積み重ねていくからこそ後々大きな結果につながります。
いかなる投資においても、社会においても、個人の成長においてもこのことは変わりません。
たった1回の判断ミスで、大きく資産を失っては意味がないのです。

しかし、FXのような金融商品を扱っていると、ドローダウンの重要な考え方がわかっていても、いざ実行する人がほとんどです。さらに、このようなドローダウンやプロフィットファクターと行った指標を使い、自身の取引を分析し傾向を掴むことで、トレード結果を大きく上昇することができます。

しかし、独学で資産運用を学ぶと、

  • 都合のいいとこばかり見てしまい、本来修正するべき部分から目を背けてしまった
  • 必要な損切りをできず、損失が大きく広がってしまった
  • コツコツ積み上げた利益を一瞬で失ってしまった

などということになってしまう人が非常に多いです。

そうならないために、ファンダメンタルズやテクニカル、アノマリーや思考法といった幅広い知識を学び、「実際に資産運用で成果をあげている」スペシャリストによる適切なサポートを受けることをおすすめします^^

 

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