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最低限押さえておくべき、フランス大統領選挙のポイント!【2017年4月24日時点】

2017年
フランス大統領選のポイントまとめ

今年2017年の4月~5月に、
『フランス大統領選挙』が予定されており、
投資家から大きな注目が集められています。

 

今のうちに、フランス大統領選に関して、
押さえておくべきポイントを把握しておきましょう。

 

 

 

フランス大統領選の
日程と仕組み

フランス大統領選は、
『単記2回投票制』が導入されており、
圧倒的な候補者がいない限り、
選挙が2回に分けて行われます。

 

1回目の選挙で候補者を2人に絞り、
その2人で決戦投票をするというようなイメージです。

 

 

◆第1回投票:2017年4月23日(日)

 

【マクロン氏】【ルペン氏】が決戦投票へ

1回目の大統領選挙は、
「4月23日日曜日」
に実施されました。

この投票において、
『50%以上の絶対多数の投票』を得た候補者がいた場合、その候補者が大統領に決定します。

なお、今回の選挙戦には、11人が立候補しており、
2017年4月時点で以下4人の混戦となるといわれていました。

※かっこは所属政党名

  • ルペン氏(国民戦線)
  • マクロン氏(En Marche!)
  • メランション氏(左翼党)
  • フィヨン氏(共和党)※元首相

しかし、ここで絶対多数(50%以上)を得る候補者がいない場合は、
下記の第2回投票が行われます。

また、歴史上、何度もこの第1回投票では決まっておらず、
第2回投票での決戦投票へともつれこんでいます。

今回も、第2回投票で決定するといわれています。

※フィヨン氏は、元首相ということもあり、最有力候補でしたが、
妻や子供に実際に働ていたよりも、多くの議会アシスタントの給与を与えていたのではという報道により、支持率が下落しています。

 

 

◆第2回投票:2017年5月7日(日)

【マクロン氏】VS【ルペン氏】

「現段階ではマクロン氏優勢か」

上記の第1回投票において、
大統領が確定しなかった場合、

「5月7日日曜日」に、
「第1回投票の上位の1位と2位」で、決選投票が行われます。

この決戦投票において、
「多くの票を集めた候補者」が、
大統領となります。

なお、第1回のときの結果・投票は、
完全に無効となり、
再度投票者がどちらかに投票することになります。

今回の選挙でも、非常に高い確率で、
この第2回選挙までもつれ込むのではと予想されています。

 

参照:フランス大使館HP『フランス大統領選挙』

 

ちなみに、この単記2回投票制は、
「弱小候補が勝つ可能性が下がる」
という効果を持っています。

 

全体で同じパイを奪い合った場合、
投票数が、多くいる候補に割れることによって、
弱小候補でも勝てる可能性を秘めています。

 

しかし、50%の過半数を取るような
圧倒的な候補がいない限り、

決戦投票に移ります。

 

つまり、
「有力候補数人が票を奪い合ってしまい、
結果的に弱小候補が最も多い投票率を得た」としても、
その候補が世間的な評価が高くなかった場合、
次の決戦投票で敗北することになります。

 

 

 

ルペン氏の動向を注目

もちろん、当選者によって、
株価に大きく影響する可能性があります。

特に、候補者の中の一人の「ルペン氏」は、
『フランスのEU離脱の是非を問う国民投票の実施』を公約に掲げています。

 

もしもルペン氏がフランス大統領に就任した場合、
昨年の「ブレグジッド」に続き、
フレクジッド(フランスのEUを離脱)
可能性を示唆することになります。

 

さらに、イギリスのときと比べ、
ユーロからフランに切り替えるなど、
『EU離脱プロセスがある程度具体的に示されている』
こともポイントです。

 

また、ルペン氏は、
トランプ大統領のように、
「突然政治界に現れた」わけではなく、
過去に決戦投票にまで進んだこともあるうえに、
前回の大統領選でも、
第1回選挙で3位となるなど、政治経験も豊富です。

 

今回の選挙において、ルペン氏は決戦投票まで進みました。

 

しかし、「ルペン氏の敵対者の結束」も噂されており、
「決戦投票では勝てないのでは」という予想も多く言われています。

 

すなわち、
第1回投票で、2位以内に入ったとしても、
決戦投票で新たにルペン氏に投票する層は少なく、
結果的に敗北するという見方が、現在のところされています。

 

猛追するメランション氏

決戦投票に進むことはありませんでしたが、
左翼党を率いるメランション氏の動向からも目が離せません。

メディアだけではなく、「YOUTUBE」を使い選挙公約を行うなどして、
「NATO脱退」という、有権者にはあまり人気がない政策をしているものの、急速に支持率を伸ばしてきました。

過激な政策が多く、今後ルペン氏やマクロン氏の支持層から票を奪っていく可能性も指摘されています。

また、メランション氏には、熱狂的な支持者も多く、決戦投票に影響を与える可能性もあります。

 

 

議会選挙も非常に重要になる

フランスでは、議員内閣制を取りつつ、
さらに権力が高い大統領も存在する、『半大統領制』を取っています。

 

つまり、
「大統領が所属する政党と、
議会で多数の議席を持つ政党が同じ」であれば、

大統領はさらに大きな力を持つことになります。

 

逆を言えば、大統領の政党と、
議会がの第一政党が違う場合、
大統領がどんなにやりたい政策があったとしても、
この議会選挙の結果次第では、
フランス政治は不安定な状態が続いてしまうことになります。

 

日本でいう、
ねじれ国会(衆議院のでもっとも議席数を持つ政党が、
参議院で過半数を獲得していない)」のような状態になり、
何かやりたい政策があったとしても、
実行に移しにくい状態となってしまいます。

そして、マクロン氏、ルペン氏ともに、
『現フランス議会でほとんど議席を持っていない政党』です。

 

フランス国民議会選挙:2017年6月11日・18日

このため、同じく今年2017年の6月11日・18日に、
『フランス国民議会選挙』も行われるため、
これも大きな注目を集めると考えられます。

 

上記のように、
決戦投票に進んだ
ルペン氏が党首を務める「国民戦線」は、
現時点での議員が2人、

マクロン氏のが率いる
全身!(En Marche!)」は、立ち上げから間もないため議員がいません。

 

仮に大統領になったとしても、新しい政権が議員選挙において、
多くの議席を獲得する可能性は決して高いとは言えません。

 

すなわち、こういった、
『議会の支援が得られない候補』が当選した場合、
「フランスがなかなか政策を決められない国」になりかねません。

 

 

投資家は
昨年の「サプライズ」を意識せざるを得ない

今回のフランス大統領選に関しても、
様々な予想が出ています。

選挙時期が近くなるにつれて、
様々な世論調査などがによって、
相場が動かされる可能性があります。

さらに、昨年2016年に、
『イギリスのEU離脱の是非の国民投票』
『トランプ大統領就任』
など、
『結果が事前の大方の予想と違う結果となった』
出来事が発生しています。

 

「起こるわけはないと考えていたことが起きる」ということを、
証明する年になったとも言えます。

様々な情報を収集し、
相場を読み解いていきましょう。

 

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