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投資用語解説

「上方修正」「下方修正」とは?

「上方修正」「下方修正」とは?

上方修正とは、企業が業績や見通しなどの予想や計画などの数字を、それよりも高い数字に引き上げることです。予想以上の結果が見込まれるときに行われ、特に企業が決算発表時などの年度の途中において、年間の業績見通しを当初の予定よりも高く見直す際に使用されます。逆に、予想や計画の数値を引き下げることを、下方修正といいます。

なお、企業業績には、証券会社などのアナリストが予想する数値と、企業が出す計画数値という2種類があります。これらの数字が想定よりも上回って推移している(下回って推移している)際に、この上方修正(下方修正)が行われます。

「上方修正」「下方修正」の市場へ与える影響

「上方修正」「下方修正」ともに、その修正の要因となった材料が、すでに市場に織り込まれているかどうかによって、価格が変動するかどうかが決まります。株価は過去の実績の利益ではなく、将来の利益の予想に基づいて価格形成がなされるため、将来の業績の予想を変化させるような業績の上方修正・下方修正は、株価を変動させる要因となりえます。

「上方修正」「下方修正」の条件とタイミング

一般的に企業は、本決算発表と同じタイミングで、次の期の業績予想を公表します。この業績予想に対して、「実際の数字」に一定の割合以上の差があることがわかったときには、上方修正や下方修正の発表をしなければならないことが証券取引所によって義務づけられています。発表しなければならない割合は、下記のとおりです。

売上高 10%以上
営業利益 30%以上
経常利益 30%以上
当期純利益 30%以上

このうちの1つでも、業績予想と実際の数値に乖離がでた差がでた場合、修正の公表が必要となります。また、この条件に満たない程度の業績との差の場合、公表の義務はなく、各企業の判断に任せられることになります。

また、業績修正の発表タイミングは、基本的にその事実がわかったときに公表する必要があります。実際には、上方修正は決算発表よりも少し早いタイミング、下方修正は決算発表と同時に発表される傾向が強いです。そのため、決算発表日に上方修正を期待して株式を購入することや、発表前に下方修正が出ていなかったために保有している株を持ち越すのは、リスクが高いと考えることができます。

 

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