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テクニカル分析講座

『MACD』の使い方と原理【テクニカル解説】

【MACDの使い方】

MACD

MACD

MACDは、
「トレンド分析を含むオシレ―タ」とも言われる、
オシレ―タ系テクニカルチャートです。

 
「Moving Average Convergence Divergence」
の略であり、日本語に訳すと、
「移動平均収束拡散法」となります。

 

世界的にも愛用者が多いチャートでもある、
このMACDの見方・使い方を見てきましょう(^^)

 

 

 


【MACDの計算式・構成】

MACDの構成

MACDの構成

MACDは主に、
「MACD」と「MACDシグナル」の2つの線と、
棒グラフである「ヒストグラム」の3つによって
構成されています。

※ヒストグラムが表示されていない場合もあります

 

 

 

◆MACD

MACDは、
『2本のEMA(指数平滑移動平均)の乖離差」
を示したものです。


MACDの計算式
=短期EMA-中期EMA

 

移動平均線は、価格が変動すれば、
設定期間の短いほうかが早く株価に反応し、
設定期間の長いほうが遅れて反応します。

 

これを言い換えると、
例えば株価が安定して上昇していたあとに、

下落に転じたとすれば、
まずは短期の移動平均線が下落し、
中期の移動平均線はそれよりも、
ゆっくりとしたペースで
下落に転じることになります。

 

そのため、
この2つの移動平均線であるMACDの「幅」は、

株価にトレンドが出ているときには0から放れていき、
トレンドが止まると、小さくなっていくことになります。

 

これはすなわち、
株価が下落すればすぐにMACDは縮小するため、
移動平均線の、
「売買サインや反応がでてくるのが遅い」
という欠点をカバーしています。

 

 

 

◆シグナル

シグナルは、
上記の「MACDチャート」を
移動平均線(EMA)に
したもの
です。

MACDをなめらかにみる効果があります。

 

シグナルの計算式
=「MACDのEMA」

 

 

 

◆ヒストグラム(MACDオシレ―タ・フォレスト)

ヒストグラムは、
MACDと、シグナルの差を棒グラフで
表してます。

「ヒストグラム」「MACDオシレ―タ」とも
言われることがあります。

 

ヒストグラムの計算式
=MACD-シグナル

 

これから、
MACDがシグナルよりも高ければ、
正の数値に、低ければ、負の数値になり、
下記で扱う、MACDのゴールデンクロス、
デッドクロスが起きた場合、
0の数値をまたぐことになります。

 

これを利用し、
ヒストグラムが上昇から下降に移れば、
株価の天井を示唆し、
逆に下落から上昇に移れば、
株価は上昇に転じる可能性があると
考えることができます。

 

 

 

 

【MACDの分析法】

MACDの計算式から、
MACDの上昇していれば、
株価が上昇トレンド、
下落していれば、下落トレンドと
考えることができます。

 

他にも、MACDを使用して、
多くの分析をすることができます。

 

 

 

「MACD」と「シグナル」の
ゴールデンクロス・デッドクロス

MACDのゴールデンクロス、デッドクロス

MACDのゴールデンクロス、デッドクロス

移動平均線のように、
MACDとシグナルのゴールデンクロス、
デッドクロスをMACDにて行うことができます。
上記の図でオレンジの丸で囲まれている、
MACDがシグナルを下から上に突き抜けることを、
「ゴールデンクロス」と言い、
上昇トレンドのサインと言われます。

 

逆に、水色の丸で囲まれている、
上から下に突き抜けることを、
「デッドクロス」と言い、
下落トレンドのサインとして
使用することができます。

 

この際、
ゴールデンクロスであれば、
なるべく低い位置で、
デッドクロスであれば、なるべく高い位置で発生するほど、
成功する可能性が高いと考えられています、

 

逆に、
ゼロラインよりも上で発生するゴールデンクロスや、

ゼロラインよりも下で発生するデッドクロスは、
比較的ダマシが多かったり、
成功したとしても、
利益の幅が少なくなると考えられます。

 

 

また、このMACDのゴールデンクロス、
デッドクロスは、
移動平均線のゴールデンクロス・デッドクロスよりも、
売買サインが早く出てくると考えることができます。

 

しかし、そのぶんダマシも多く、
この天井打ちや、下落のサインを出したとしても、
そこが本当に点底なのかはわかりません。

そのため、このゴールデンクロス、
デッドクロスは、トレンドを確認として
使用することが有効です。

 

ほかにも、この2本の分析において、
「グランビルの法則」を応用しつつ
分析することも重要です。

 

 

 

 

 

ゴールデンクロス状態で、2本が0のラインを上回る
デッドクロス状態で、2本が0のラインを下回る

MACDの0ライン突破

MACDの0ライン突破

MACDとシグナルがゴールデンクロスの状態で、
0ラインを下から上に抜けた場合
上昇トレンド、

逆にこの2本がデッドクロスの状態で、
0ラインを上から下に抜ける場合下落トレンド
と分析することができます。

 

ゴールデンクロス・デッドクロスに加え、
この条件を足すことによって、
ダマシ」となる回数自体は減少します。
しかし、
通常の移動平均線のゴールデンクロス、デッドクロスよりも、
さらに売買サインが出るのは遅くなってしまいます。
そのため、このサインが出る際には、
すでにトレンドが終了してしまっている
可能性があります。

このサイン後も、方向性が継続されるのかを、
注意して判断を行う必要があります。

 

 

 

 

ヒストグラムが減少から上昇に転じると買
ヒストグラムが増加から減少に転じると売りサイン

ヒストグラムの増減

ヒストグラムの増減

ヒストグラムの増減を見ることで、
株価を分析することも可能です。

 

ヒストグラムが、
減少から上昇に転じると買いサイン、
増加から減少に転じると売りサイン
考えることができ、
MACDの売買サインの中で、
最も早くサインが出てきます

 

「大きく一方方向に動き、そこからの反転ほどの、信用できるサイン」
と言われています。

 

言い返れば、
ゼロラインを間に
なんども交差するような場合は、
もみ合い相場と考えることができます。

 

しかし、「どのくらい増減したら」といった、
明確なサインとなるポイントがあるわけではなく、
「結果的に、そこのヒストグラムの増減が転換だった」
となるものでもあるため、
これだけでの売買判断は非常に難しいです。

 

これだけですぐ売買するのではなく、
「転換の可能性がある」と、
考慮するのがいいかもしれません。

 

 

 

 

【MACDのトレンド転換には
順番がある】

上記のMACDの分析法において、
株価の動きが転換する場合には、
正規の順番が存在します。

 

株価が底となり、転換する場合は、
➀ヒストグラムが上昇
②MACDがシグナルをゴールデンクロス
③移動平均線がゴールデンクロス
④2本がゼロラインを下から上に突破
という順番になります。

 

株価が天井となり、転換する場合は、
➀ヒストグラムが下落
②MACDがシグナルをデッドクロス
③移動平均線がデッドクロス
④2本がゼロラインを上から下に突破
となります。

 

もちろん、
毎回このようになるわけではないですが、
この基本の順番をおさえたうえで、
「現状どのような状態にあるのか」を
考えるようにしましょう。

 

さらに、オシレ―タ系で重要な概念である、
『ダイバージェンス』という概念も
しっかりとおさえておきましょう(^^)

 

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