【徹底図解】値幅観測論(水準論)の使い方をわかりやすく解説!【一目均衡表】
一目均衡表の「値幅観測論」について、しっかりと理解していますか?
同様に三大理論である、「時間論」と組み合わせることによって、「どのくらいの時期に、どの程度まで株価が変動するのか」を推測することができます。
ここでは、一目均衡表の「値幅観測論」について、わかりやすく解説していきます。
目次
☝値幅観測論(水準論)とは

値幅観測論とは?
「値幅観測論」とは、一目均衡表の三大理論の一つで、「それまでの相場の動きから、そのあとの株価がどれくらい上昇するのか、どれくらい下落するのかを予測する計算の理論」のことです。
保有している銘柄が「どの程度まで上昇するのか、下落するのか」という目標株価を考えるときに使用できます。
同じ三大理論である「時間論」は、価格の概念を時間という横軸でみるものですが、値幅観測論は、価格というチャートの縦軸が考えられていると言い換えることができます。
具体的には、高値や安値から、次の高値、安値の価格帯がどのくらいになるかというのを、計算式によって導き出していきます。
値幅観測論の計算方法
値幅観測論では、「動いた値幅の変動分、株価が推移する」という考え方をします。直近の高値や安値を使い、V計算値、N計算値、E計算値、NT計算値と、大きくわけて4種類の計算方法があります。また、以下の計算値の説明文において、「高値」、「安値」という文章を入れていますが、その高値安値は自分自身で見抜かなければなりません。
☝V計算値とは

V計算値の図解
V計算値は、上昇トレンドのときは、下げた分の価格だけ、反落した高値から上昇する計算方法です。
下落トレンドの場合は、反発後の上げ幅と同じ価格が直近の安値を起点として下落するように計算します。
株式投市場でいう、「倍返し」ともいわれるパターンです。
価格の変動幅が大きいときに、このV計算値が成り立ちやすいといわれています。
上昇トレンドのV計算値
上昇目標株価=高値+(高値ー安値)
下落トレンドのV計算値
下落目標株価=安値ー(高値ー安値)
☝N計算値とは

N計算値の図解
N計算値は、上昇トレンドの場合、上昇幅と同じぶん、反発後に株価上昇するという計算方法です。下落トレンドでは、反落した地点から、その前の下落幅まで、株価が下落するとなります。下記で説明するE計算よりは目標数値が近く、NT計算よりは目標数値が遠くなります。
上昇トレンドのN計算
目標上昇株価=反発した価格+(高値ーその前の安値)
下落トレンドのN計算
目標下落株価=反落した価格ー(高値ー安値)
☝E計算値とは

E計算値の図解
E計算は、上昇トレンドの場合、上昇幅と同じように、そのまえの高値から上昇するという計算方法です。もともとの上昇幅の2倍という考え方もできます。
下落トレンドの場合、その前の下落分が、その前の安値から下落するという考えかたです。
上昇トレンドのE計算値
目標上昇株価:高値+上昇幅
下落トレンドのE計算値
目標下落株価:安値ー下落幅
☝NT計算値

NT計算値の図解
NT計算値は、上昇トレンドであれば、下落からの反発点から、上昇の開始点までの価格が、その反発開始点から上昇するという計算をします。
ほかのN計算、E計算と比べると、上昇トレンドの時には下落幅が小さく、下落トレンドのときには戻り幅が小さい。
上昇トレンドのNT計算
上昇目標値:反発時の価格+(反発時の価格ー上昇の開始した地点)
下落トレンドのNT計算
下落目標値:反落時の価格ー(下落開始時の価格ー反落時の価格)
☝値幅観測論の使い方・分析方法
ここまで、一目均衡表の三大理論の、値幅観測論の代表的な計算式を見てきました。
ここからは、どのようにその計算を使っていくのかをを考えていきましょう。
①トレンド・方向性を判断する
値幅観測論を使用するためには、まず現在が上昇トレンドなのか、下落トレンドなのかを判断しなければなりません。
まずは、一目均衡表だけでなくとも、そのあと、どのように相場が動くかを考えるようにしましょう。また、「大事なことは、予想を確実に当てることではなく、どのような現状であるかを把握し、シナリオがあっていた時に、適切な機関乗り続けること」です。
②高値安値を決定する

高値と安値の決定
この高値安値が決まらなければ、値幅予測ができません。
ここには、「高値と安値」で見るパターンと、「終値で出す」パターンがある。
③計算する

値幅観測論の各計算値の比較
すべての計算を行ったとすると、V計算、またはNT計算<N計算<E計算という順番になります。
時間論の際も、「特定の期間後に価格が止まると考えるのではなく、その時間でどのような反応をするかが大事」としました。
値幅決定論においても、「その計算値で相場の変動が止まる」というものではなく、「その価格が最初のターゲット、その価格を抜けたら次のターゲットは…」という風に、どのように相場が反応するかを考える」ようにしましょう。
☆三大理論を組み合わせてみていく
ここまで、一目均衡表の「値幅観測論」についてみてきました。値幅観測論を使用することによって、株価の変動の目標値を設定することができます。
また、一目均衡表は、
- 時間論:トレンドが転換するタイミングを推測する
- 波動論:チャートの形を見て、そのあとの動きを推測する
- 値幅観測論:上値と下値の目標値を推測できる
という三大理論を総合的に利用した上で、先行スパンといった各指標で分析する必要があります。
このように資産形成を独学だけで勉強しようとすると、
- 本来知っているはずべきの知識を知らなかった…
- 知識が先行してしまい、最も重要な考え方ができていなかった…
という状況に陥ってしまうことがあります。
さらに、デイトレードのようなハイリスクハイリターンの金融商品を一人で運用していると、
- 冷静に考えれば間違っていたのに、損切りや利確ができなかった…
- メンタルがうまくコントロールできなかった…
というハードルを超えるのがとても高いです。しっかりと利益を積み重ねていくためにも、自分に何が足りないのか、どういったことを学ぶべきなのかを振り返ることができる環境を作るようにしましょう。