テーパリングとは?【わかりやすく解説】
テーパリングとは?
テーパリングとは
テーパリングとは、
中央銀行による資産の買い入れ政策である、量的金融緩和政策の
買い入れ額の規模を縮小していくことを
意味しています。
由来となっている、「テーパリング(Tapering)」は、
「次第に物事が衰えていくこと」を意味しています。
「先細っていくローソク」に、
中央銀行が行っている資産購入による額を、少しづつ減らしていくことを例え、
最終的にこの購入額を無くしていくことを指しています。
本来、中央銀行などが
直接市場から金融資産を購入する、「量的緩和政策」は、
伝統的に景気を調節する機能を持つ、「政策金利」が0に等しく、
これ以上引き下げられない場合に行われます。
このこともあり、この言葉が生まれた2013年5月に、
当時のFRB議長バーナンキがこのテーパリングを示唆しただけで、
相場が大きく変動することとなりました。(ターバー・タントラム)
このこともあり、中央銀行は、市場との対話を通じて、
非常に慎重にこのテーパリングを行っていく必要があります。
テーパリングはいつするのか
テーパリングは、量的金融緩和が十分に効果を満たしたときに、
金融引き締めへの第1歩として行われます。
すなわち、テーパリングの時期を考えることは、
該当する中央銀行が相場をどのように現状をとらえているかを理解することにもつながり、市場から大きな注目を集めることになります。
テーパリング後の相場
上記の2013年のバーナンキの発言から
市場で使われ始めた、比較的新しい言葉です。
なお、その後FRBでは、
2013年5月にテーパリングの示唆
2014年1月に量的緩和(QE3)の縮小開始
2014年10月にQE終了とを決定
となり、
「利上げ」がマーケットの焦点となりました。
テーパリングは、
金融緩和政策の縮小でもあり、
「金融引締め政策への一歩」とも
考えることができます。
日本のテーパリング
なお、2016年9月の
日銀金融政策決定会合において、
イールドカーブ・コントロールを
導入した際、
「これはテーパリングなのか」
という質問に対し、
日本銀行黒田総裁は、
「テーパリングではない」と
断言しています。
しかし、現在大規模な量的緩和を行っている
日本銀行も、いずれはこのテーパリングが話題に上がる
可能性が非常に高いです。
たびたび日銀黒田総裁は、記者会見時などに、テーパリングの時期などについて質問される機会がありますが、「まだ議論する段階ではない」とし、名言を避けています。