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「オクトーバーサプライズ」とは?過去の事例まで解説!

オクトーバーサプライズとは?

オクトーバーサプライズとは、米国大統領選が行われる年に置いて、投票が行われる1ヶ月前に当たる10月に選挙結果に大きな影響を与える出来事のことです。アメリカのマスメディアの間でこの時期に影響を与える出来事が発生すると、「10月の驚く出来事=オクトーバーサプライズ」として使用されるようになりました。

主なオクトーバーサプライズ

過去のオクトーバーサプライズと呼ばれる出来事について簡単に解説していきます。全体的に、接戦となっていた選挙戦の中で両候補の差を広げるような出来事が言われることが多いです。

1980年

現職のカーター大統領とレーガン候補による接戦のなか、「イラン革命により、テヘランのアメリカ大使館が占拠され52人が人質に取られる」という事件が発生していました。ただでさえカーター政権は人質救出作戦に失敗するなど、批判を浴びていました。これに加えて、1980年の10月にレーガン候補の選挙チームがイラン政府関係者に「人質の開放を大統領就任後まで延長するように交渉し、現職のカーター大統領の人気を落とすように裏工作があったのでは」という疑惑があるとされています。

この結果カーター大統領は支持率を下げ、レーガン候補が勝利し、イランで捉えられていた人質も無事開放されました。この事件以降、「オクトーバーサプライズ」という言葉が使用されるようになりました。

2004年

投票数日前となる10月末に、アルカイダのビンラディン氏がビデオ声明で同時多発テロの関与と実行犯への指示を認めました。

この報道は、ブッシュ大統領が同時多発テロ発生後の対応で支持率を急上昇させたことを回想させることに繋がり、ブッシュ氏が投票直前に支持を再び獲得し当選につながったと言われています。

2012年

10月下旬に発生した大型ハリケーン「サンディ」が、NY証券取引所が休場になるなど、甚大な被害をもたらしました。予算縮小や廃止を言及していたロムニー候補はこれ逆風となり、逆に当時現職であったオバマ氏は積極的な災害対応が評価され、再選につながったという見方があります。

2016年

FBIコミー長官が、クリントン候補の国務長官時代の私用メール問題で新しい証拠を発見し再調査すると発表したことで、クリントン氏の支持率低下を招きました。投票直前にコミー長官が「追訴はない」と発表したものの巻き返しには及ばず、トランプ大統領が誕生しました。

2020年

トランプ大統領をはじめとする共和党の関係者が新型肺炎に感染してしまいました。ただ、トランプ大統領はすぐに回復して選挙戦に復帰し、体調の万全さをアピールできた結果となりました。しかし、これは10月初頭の出来事であり、まだサプライズが発生する可能性は多いにあります。

結果がわかるまで判断はできない

考察

上記のように、米国大統領選は選挙1ヶ月前となる10月に戦局を大きく変えてしまうような出来事が起きることがあります。投票結果には大統領候補の「イメージ」が大きく勝敗に影響する特徴があり、最終的な結果が出るまでは確実な予想はできません。

さらに米国大統領選は、「州ごとの総取り方式」であるため、支持率が高い方が勝つとは限りません。実際、「得票総数だけで見ると買っていたが、結果として負ける」こともあるのです。(前回もトランプ氏よりもクリントン氏の方が得票総数は多かったです)

2020年選挙においては、トランプ氏とバイデン氏の「どちらが勝利しようと積極的な財政政策が行われる」と見られていますが、市場参加者の印象も大きく変わる可能性があります。

慎重に大統領選の動向と、相場の反応を分析していきましょう。

 

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