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【徹底図解】日経平均先物取引(日経225先物)とは?初心者にもわかりやすく解説!

日経225先物は、一度理解してしまえば簡単に取引することができ、少額から始められるなど、初めて投資を行う方にもオススメの金融商品の1つです。

ここでは「日経225先物(日経平均先物)の取引方法や仕組み」について、運用初心者や大学生にもわかりやすく、多くの図解を用いてわかりやすく解説いたします(^^)

日経平均先物(日経225先物)取引とは?

日経平均先物取引とは、日経225先物ともいわれ、「日本取引所グループの大阪取引所に上場している金融商品で、「日経平均株価(日経225)」を対象とした、株価指数先物取引のこと」です。

下記で詳しく説明しますが、

  • 日経平均株価(日経225)を
  • SQ値(特別清算指数)で
  • いくらで買うか売るかを
  • 約束する取引

と言い換えることができ、「金融先物取引」に分類され、損益のお金を受け渡す「差金決済」です。

日経225先物は株式投資のように売買代金を用意する必要はなく、下記で説明する「証拠金」という担保を差し入れることで、取引することができます。

また、日経225先物は、含み益含み損といった投資家の建玉(=ポジション)の損益の状態にかかわらず、3月、6月、9月、12月の第2金曜日に特別清算指数(SQ値)で清算するか、前日木曜日の最終売買日までの間に決済することを義務付けられています。

 

日経225先物(日経平均先物)の基本的な仕組みをざっくり理解しよう

日経225先物(日経平均先物)の売買における、基本的な仕組みをより詳しく見ていきましょう。様々な専門用語もあり、理解が難しい部分があるかと思いますが、まずはざっくりと全体像を把握するように理解してみましょう。

日経平均が上昇すると予想すれば「買い」
日経平均が下落すると予想すれば「売り

日経225先物の買いと売りの図解

日経225先物の買いと売り

日経225先物は、「買い」または「売り」のポジション(=建玉)を立てることで、キャピタルゲイン(売買益)を狙い売買します。(インカムゲイン(配当など)はありません)

現在よりも日経平均がこの先、
上昇すると考える場合は「買い」、下落すると思う場合は「売り」の建玉を持ち、その将来の価格との差額を利益とすることができます。
なお、日経225先物を新規で買った状態を「買い建玉(買いポジション)」、売ったときを「売り建玉(売りポジション)」といいます。

株式といった現物取引では、キャピタルゲインを狙った売買を行う場合、多くの資金が必要となる空売りをのぞき、上昇を見込むしかありません。
しかし日経225先物は、買いと同じ資金で「売り」からはいることができるため、下落相場にあっても利益をとることが可能というメリットがあります。

なお、買い建玉は必ず売り決済せねばならず、売り決済は必ず買い決済をしなければなりません。

日経225は建玉をもつことができる期間が決められている

SQの図解

SQの図解

日経225先物は「決済の期限」が決められています。
その先物の期限が迎える月のことを「限月」、保有できる最終日を「SQ日」といいます。

日経225先物の「最終売買日は第2金曜日の前日の15時15分まで」です。

なお、最終売買日までの期間であればいつでも売買することができ、そこまでの差額を利益・損失を得ることができます。

上記の最終売買日を超えても、決済されていない「買い建玉」または「売り建玉」があった場合、
225銘柄のそれぞれの始値をもとに算出されたSQ値(特別清算指数)で自動的に反対決済されます。

SQに関しては下記で詳しく説明します。

日経225先物ラージと日経225ミニがある

日経225先物のラージとミニの比較

日経225先物のラージとミニの比較

日経225先物は、その取引単位や必要な資金に応じて、「ラージ」と「ミニ」が取引されています。

日経225先物の1枚は、日経平均株価の1000倍、日経先物ミニは100倍です。

細かい違いなどは下記で説明しますが、もともと日経225先物はラージしかなかったものの、ラージは取引金額が大きいため、もっぱらプロの機関投資家などがリスクヘッジ、もしくは投機的取引に用いる金融商品でした。これに対して日経225ミニは、日経225先物に比べ、必要な資金などが少なく、個人でも取引しやすいものとなっており、日経先物の参加者の増加につながっており、流動性も非常に高いです。このラージとミニがあることを利用した「裁定取引」も存在します。

日経225先物取引(日経平均先物)の「限月」をわかりやすく解説

上記のように、日経225先物は、保有できる期間・期限と、決済の期日が定められています。すなわち株式のように、何年間も長期的に保有することはできません。

この先物取引における期限の月のことを「限月」といい、例えば、6月に取引期間を終えるものを「6月限」という言い方をします。
そして、その期限の日のことを「SQ日」、その価格のことを「SQ値」といいます。

もし決められた最終売買日を過ぎても、日経平均先物の建玉を保有していた場合、そのSQ日にSQ値で強制決済されます

なお、日経平均先物のSQは、原則として第2金曜日とされており、その前日である木曜日の日中大引けが、最終売買ができるタイミングとなっています。

日経225先物は、「SQ」ごとに、日経225ラージは13限月、日経225miniは16限月が、常に取引されています。1つの限月がSQを迎えたら、その当日から新しい限月が、金曜日に上場して取引できるようになります。また、このような取引を、「限月取引」といいます。

 

日経225ラージの限月

日経225先物の限月の図解

日経225先物の限月の図解

日経平均先物ラージは、3月限、9月限の直近3本と、6月限、12月限の直近10本の計13限月が常に取引されています。また、この3月、6月、9月、12月のSQのことを、「メジャーSQ」といい、取引が活発になる傾向があります。
基本的には3か月おきにあると考えておきましょう。

 

 

日経225先物ミニ

日経225ミニの限月は、ラージと同じ、3月、9月の直近3本と、6月、12月の直近10本に加え、それ以外の月の直近3限月の合計16本が取引されています。すなわち、日経先物ミニの場合、毎月SQがあることになります。

ラージ・ミニともに「期近物」に取引が集中する

日経225先物は、最も直近の限月である、「期近物」に取引が集中する傾向があります。基本的には「期近物」を取引するようにしましょう。また、日経225の先物のメリットである、「流動性の高さ」を生かすために、日経225ミニを取引する場合でも、「メジャーSQ」のものを取引することがおすすめです。

「ロールオーバー」とは?

ロールオーバーの図解

ロールオーバーの図解

先物取引で保有しているポジションを、最終売買日までにいったん決済してしまい、次の限月のポジションに乗り換えることを、「ロールオーバー」といいます。

例えば、6月限の建玉を持っており、本当はそのまま持ち続けたいものの、SQを迎えると売買が不能になり強制決済されることから、その建玉を決済し、次の9月限月で同じポジションを持つことで、投資家はそのポジションを維持することができます。

ロールオーバーは、「乗り換え」を意味しており、SQ日の1~2週間前から徐々に始まっていくことが多いですが、そのロールオーバーが順調に進まず、建玉が多く残っていると、短期売買が膨らみ、相場の急変動がある場合がありますので、注意するようにしましょう。(どの程度ロールオーバーが進んでいるかは、建玉の推移を見ることで、ある程度推測することができます。)

日経平均先物のSQ値(特別清算指数)とは?

SQの図解

SQの図解

SQ値とは「 Special Quotation(スペシャル・クオーテーション)」の略で、日経225先物の満期日にの決済に用いられる特別清算値のことです。

SQ値は、3月、6月、9月、12月の第2金曜日の、日経平均株価の構成銘柄の始値によって算出されます。

SQ値はその日の引け後に証券取引所から発表があり、決済をせずにSQ日を迎えた建玉は、SQ値で強制的に反対決済されます。

SQに関しての注意点

  1. 通常の日経平均株価は、気配値をなどをもとにして算出されているため、SQ値と当日の日経平均株価の始値とは一致しないことがある
  2. 取引最終日まで先物の建玉を決済しなかった場合、このSQ値で自動的に当日の引けで決済されるが、決済されていない分の証拠金は、決済されるまで使えなくなる

日経225先物の取引の単位

日経225先物のラージとミニの比較

日経225先物のラージとミニの比較

次に、日経225先物の取引の単位について見ていきましょう。
日経225先物取引の、最低取引単位を「枚」と呼びます。日経225先物の1枚は、日経平均株価の1000倍、日経先物ミニは100倍です。

日経225先物の呼び値は、ラージ:10円・ミニ5円

投資の世界において、売買するときの価格の変動の単位のことを「呼び値」といいます。

日経225先物の呼び値は、ラージは10円、ミニは5円であり、ラージは10円単位で、ミニは5円単位で先物価格が変動します。

日経225先物の「証拠金」とは?

証拠金の説明の図解

証拠金の説明の図解

上記のように、日経平均先物ラージは日経平均株価の1000倍、ミニは100倍を動かすことになります。

取引単位が少ないミニでも、日経平均株価が20,000円であれば、「20,000×100=200万円」という大きな金額を動かしていることになります。

日経平均先物の場合、この金額をすべて投資元本として証券口座に入れる必要はない代わりに、取引を行うための証明として、「証拠金」を差し入れる必要があります。すなわち「証拠金を差し入れることでその何十倍もの取引が可能になる」ということです。

このように、少ない資金で大きなリターンが期待できることを「レバレッジ効果」といいます。このレバレッジ効果を生かせることは、日経225先物を運用する上でのメリットの1つです。

例:日経先物ミニ証拠金が5万円の場合の取引

日経225証拠金と取引の説明

日経225証拠金と取引の説明

では、実際の取引の例として、日経225ミニの証拠金5万円の場合で、その後の先物価格が変動した場合、どういった利益・損失となるかを見ていきましょう。

ここでは、現在の日経225ミニの証拠金が5万円で、10000円で買いポジションを持った場合で考えます。復習になりますが、買いポジションということは、上昇するという予想をした建玉を持っているとことになります。

日経225先物が10100円まで上昇した場合

もしこの後に、日経225先物ミニが10100円まで上昇した場合、「1万円の含み益」の状態となります。
ラージの場合、1000倍なので、10万円となります。すなわち、日経225ミニ1円当たり、100円の利益、損失となります。なお、この割合に、証拠金は関係ありません。

日経225先物が9900円まで上昇した場合

もしこの後に、日経225先物ミニが9900円まで上昇した場合、「1万円の含み損」の状態となります。
ラージの場合、1000倍なので、10万円となります。

常に証拠金以上の金額が証券口座になければならない

余剰金の説明

余剰金の説明

日経225先物取引の、建玉の状況による含み益・含み損といった状態は、証券口座に入れている資金から、使用している証拠金の金額を差し引いた「余剰金」が変動します。

また、ポジションを持っている状態で、大きく含み損の状態となり、証券口座に入っている資金が余剰金だけでは足りず、必要証拠金を下回った場合、下記で説明する追加証拠金(追証)、または強制決済となってしまうため、多くの余剰をもって取引するようにしましょう。

追加証拠金とは?

追加証拠金(追証)とは、証券口座の資金が必要証拠金よりも下回ったときに、追加で資金を差し入れることのことです。追加で証拠金を差し入れない場合は決済しなければなりません。

それぞれが保有している建玉の評価損益において、証拠金が最低限必要な証拠金を下回っていないかをチェックすることを、「値洗い」といいます。
もともとの値段をその時の価格で洗いなおすということから、このように表現されます。

この制度によって日経225を含む先物取引は、1日ごとにこの「値洗い」が終値で行われ、決済の履行が確実にされるようにしています。

日経225先物において、追加証拠金(追証)となるのは以下の2通りです。
なお、追証(追加証拠金)は、しっかりと損切りを置き、リスクとリターンの関係を把握しない限り、めったになることはありません。「証拠金を差し引いても、充分な余剰資金を証券口座内に確保し、しっかりと資金管理のコントロールを行う」ことが何よりも重要です。

追証となるケース①:含み損が余剰金を超えて必要な証拠金を下回る

含み損が余剰金を超えるイメージ

含み損が余剰金を超えるイメージ

追証となるパターンの1つとして、含み損が余剰金を超えて、必要証拠金を下回ってしまうパターンがあります。

例えば、8万円が入っている証券口座において、証拠金が5万円の時に、日経先物ミニで建玉を持っているときに、4万円(先物ミニでいう400円)の含み損になってしまったとします。もともとの余剰金は3万円しかなかったため、1万円余剰金ではカバーできず、これが証拠金の部分まで食い込んでしまいます。

この含み損の状態で大引けまでに決済しなければ、値洗いにより追証となり、翌日正午までに足りない分の金額を差し入れなければなりません。

追証となるパターン②:必要証拠金が上昇した場合

証拠金が余剰金を超えるイメージ

証拠金が余剰金を超えるイメージ

もう1つの追証(追加証拠金)となってしまうパターンとして、「証拠金が上昇し、証券口座の余剰金を超えてしまった場合」があげられます。

ここでは、わかりやすくするために、大きく証拠金が上昇した場合で説明しますが、こういったケースはそこまで多くはありません。

例えば、証券口座に8万円入っている状ときに、225先物ミニの証拠金5万円の際に、建玉を1枚保有していたとします。そして、日経225先物ミニの価格自体は変動していないものの、証拠金が9万円まで上昇したとします。
すると、本来建玉を持つために必要な証拠金が不足するため、強制反対決済をしない場合、追証(追加証拠金)が必要となります。

日経平均先物(日経225先物)の取引時間

日経225先物の取引時間

日経225先物の取引時間

日経225先物の取引時間は、日中の取引である「日中立合」と、夜間の取引である、「夜間立合(ナイト・セッション)」があり、現在はほぼ24時間取引可能であり、市場参加者を増やす要因となっています。

なお、昔は日経225先物にはナイト・セッションは存在しなかったり、日中の取引時間も現在のものとは異なっているなど、徐々に取引が可能な時間が伸びているます。今後も、取引時間に関しては変更される可能性がありますので、そういった情報には注目するようにしましょう。

また、初めの売買のことを「寄付」、最後の売買のことを「引け」、15時15分のことを「大引け」といいます。

 

日中立合(8:45~15:15)

日経225先物の日中の取引のことを「日中立合」といい、8時45分から、15時15分までのことをいいます。現物株式と違い昼休みがないため、一貫した取引が可能というメリットがあります。

ナイト・セッション:夜間立合(16:30~5:30)

日経225先物は、ナイト・セッション(夜間立合)が導入されており、ヨーロッパやアメリカといった、世界の経済情勢に対応することができるというメリットがあります。ナイト・セッションは現在、16時30分から翌日5時30分までです。

なお、夜間の取引の記録は、翌日の取引として計算されます。たとえば、日本時間で1月4日の18時に行われた注文は、翌日の1月5日のものとして扱われます。

休場の日は取引されない

日経225先物は、土曜日、日曜日や祝日、年末年初などは取引することができません。
年末年始の日経225の取引時間は、念のため毎年確認するようにしましょう。

日経225先物の取引時間に関するその他のルール

日経225先物には、日中立合やナイトセッションなどのほか、以下のような取引時間に関するルールが設定されています。

 

 

プレ・オープニング

プレ・オープニングとは注文のみを受け付けてマッチングを行わない時間帯のことです。
日中取引では、8時から8時45分、ナイトセッションでは、16時15分から16時30分になります。

この時間でも、下記のザラバの時間帯と同様に、板状況などをみることができます。

オープニング・セッション=板寄せ

プレ・オープニング終了後、オープニング・セッションによって、「板寄せ方式」によるマッチングが行われます。
日中取引では、8時45分、夜間取引では16時30分になります。

 

ザラバ=レギュラーセッション

ザラバ(=レギュラーセッション)とは、上記の日中立合と、夜間立合のことです。「ザラバ方式」による取引が原則となります。
もし、サーキットブレイカー制度などにより、取引の一時中断、または停止を行った場合は、再度板寄せ方式により取引が再開されます。

プレ・クロージング

プレ・クロージングとは、プレ・オープニングと同じく、注文のみを受け付けて、マッチングを行わない時間帯です。
日中立合では15時10分から15時15分、ナイトセッションでは5時25分から5時30分が該当します。

クロージング・オークション

クロージング・オークションでは、板寄せ方式によるマッチングが行われます。
日中では15時15分、ナイトでは5時30分が該当し、これにより「引け」の値段が決定します。

NPC(ノンキャンセル・ピリオド

NPC=ノンキャンセル・ピリオドとは、注文の訂正や取り消しをすることができない時間帯のことです。
日中と夜間の取引1分前と、夜間の引け前の1分間が対象になります。

日経225先物のメリット・デメリット

ここで、日経225先物を運用する様々なメリット・デメリットを解説していきます。ここでは、先物取引のメリット・デメリットを含め、解説します。

日経225を運用するメリット

  • 株式のような銘柄選択が必要ない
  • 経済全体を理解することにつながる
  • 売りから入ることができる
  • 過去のデータが豊富であり、分析しやすい
  • 少額から始めることができる
  • レバレッジ効果がかけられる
  • 流動性が非常に高い
  • 日経225オプションといった関連する金融商品が多く存在する
  • 取引時間が長く、海外の情勢にも対応することができる
  • 注文方法が豊富である

日経225を運用するデメリット

  • 運用者にプロが多い
  • リスクコントロールを怠ると、元本以上の大きな損失を伴う可能性がある
  • 値嵩株の影響が大きい

日経225を分析すること=日本経済の最先端を追うこと

いかがだったでしょうか?
日経225先物を運用するうえで必要な知識はここである程度身についたかと思います。学べば学ぶほど、自分の資産高を高められる可能性があるのが投資です。日本の最先端企業の株価であり、日本の景気を表す日経225を運用・分析していくことは、日本経済の最先端を追っていくことに変わりありません。

若い世代が、日経平均を分析することは、将来多くの恩恵を受けることができます。

 

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