「合意なき離脱」とは?わかりやすく解説!
イギリスのEU離脱問題:ブレグジットに関して、「合意なき離脱」という言葉を見る機会が多いかと思います。今回はこの「合意なき離脱」について、わかりやすく解説します。
目次
「合意なき離脱」とは?
「合意なき離脱」とは、イギリスがEUを離脱する際に、何の取り決めもないままEUを離脱することを指します。
この「合意なき離脱」が発生した場合、イギリスが今までEUの単一市場に所属していたため存在しなかった、輸入や輸出における税関の手続きなとが発生するなどして、企業や市民の生活にも大きく悪影響を与える可能性があります。
☝イギリスは食品や日用品の多くを輸入品に頼っている
イギリスは現在、食品や日用品を輸入に頼っています。一説では、「消費される食品の3分の1がEUから輸入されている」とも言われているため、もし合意なき離脱となった場合、多くの店舗で商品の入手できる可能性が下がると言えます。
さらに、輸入品に関税がかかった場合でも、原価の値上がりにつながるため、結果的にイギリス国民に対しては不利な状態になることが想定されます。「合意なき離脱」は、イギリスとしてはぜひ避けたい状態なことは間違いないのです。
どうすれば「合意なき離脱」になるのか
「合意なき離脱」に至る可能性として、大きく分けて
- イギリスとEUで話がまとまらない
- イギリスかEUどちらかで、離脱案が認められない
というパターンが考えられます。
イギリスは、16年6月23日に行われた国民投票において、「イギリスはEUを離脱する」ことを決定しました。この結果を受けて17年3月29日に、イギリスはEUに「EUを離脱する」ことを表明しました。
EU条約において、「2年後にEU法の適用が切れる」ことが定められているため、「19年3月末が離脱の期限」となりました。
ただし、上記のような企業や国民への影響を小さくするためには、この期限はあまりにも短いです。
そのため、イギリスとEUは「2020年末までを、イギリスのEU離脱の『移行期間』と定め、現状の規則や法制を適用され続け、離脱に備える」ことで合意しました。
ただし、この『移行期間』が実施されるには、
- EUとイギリスで合意する
- 欧州議会とイギリスの議会それぞれでその合意案が承認される
必要があります。
2019年1月では、EUとイギリスで合意した合意案が、イギリス議会でその離脱案を否決されました。
『移行期間』はこの合意案が両議会を通過することを前提とするため、このままでは移行期間が認められず、19年3月末に完全に離脱しなければならないことにならず、「合意なき離脱」となります。
「合意なき離脱」となった場合どうなるのか
「同意なき離脱」が現実のものとなった場合、経済に大きな影響が考えられます。
☝「合意なき離脱」となった際に起こりうること
- EUと欧州が貿易をする際に、今までに必要なかった「関税」がかかる
- 上記の関税に関して「通関業務」が必要となる
- 電子部品などに適応される環境規制などがEUの対象外となる
- 金融や医薬といった認許が
- イギリス、EU間でのデリバティブ(金融派生商品)が不安定な可能性になる可能性がある
- アイルランド国境問題の再発
など