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「保護主義」「保護主義政策」とは?わかりやすく解説!

よく貿易関係のニュースで見かける「保護主義」とはどういうことかわかりますか?トランプ大統領の外交政策に関するニュースなどでも出てくることも多く、この言葉を理解しておくことによって様々な情報を理解しやすくなります。ここでは、「保護貿易」について誰にでもわかりやすく解説します。

 

 

保護主義とは?

保護主義とは、国が輸入量を制限したり高い関税(輸入するモノに関してかける税金)をかけることによって、自由な貿易を制限をすること言います。いわば、自由貿易の対義語ともいうことができます。

たいていの場合、保護主義は、たいていの場合「自国の産業・企業を保護する」目的で行われるほか、「貿易赤字を解消する」というメリットもあります。

トランプ大統領は、「アメリカ第一主義」を掲げていることもあり、アメリカ国内産業の保護や、様々な政策においてこの保護主義が意識される場合が多いのです。

 

☝保護主義の方法

特定の国にかける場合も含め、細かいものを上げれば様々な手法がありますが、代表的なものは以下の通りです。ひらたくいうと「自国内で自国の商品を買うように仕向ける」ものがほとんどです。

な、この貿易において関税などの障壁を用いる貿易のことを「保護貿易」といいます。

 

  • 政府や業界団体が輸入を独占し、輸入量をコントロールする
  • 高い関税をかけることで、国内での需要を減らす
  • 国内で何か規格を作り、特定の商品の輸入を制限する
  • 一部の輸出に関して補助金を交付する
  • 自国通貨安に誘導する

 

☝自由貿易の問題

第2次世界大戦以降、世界的に「自由貿易」の流れが大きく進展しました。1929年ごろの世界恐慌の対応として、各国が保護主義政策をとった結果、世界的な貿易量が減少したことから、保護主義は有害であるという流れをなったのです。しかし、先進国を中心に、以下のような問題が発生しました。

  1. より安い労働力などを求めて、企業が商品を生産する場所を発展途上国に移す
  2. 生産が海外に移動することによって、その国の雇用が減少する
  3. 雇用が減少したことにより、その国のものを買う意欲・能力が減少する
  4. 海外で安いコストで作れられた、自国により安い商品が流通する
  5. 海外製の安いモノばかりが買われ、さらに国内の企業の売上や雇用が減る
  6. 国内全体の需要や購買力が減少する

一部の先進国はこのスパイラルに陥ったほか、自由主義を主張しつつ、事実上の保護主義をとる国もあらわれ、1970年台以降、保護主義が大頭し始めます。

 

 

保護主義のメリット・デメリット

ここまで、保護主義について述べましたが、保護貿易主と自由貿易がどちらが正しいというわけではありません。それぞれにメリット・デメリットが存在します。ここでは、保護主義のメリット・デメリットについて簡単に説明します。

 

☝保護主義のメリット

  • 自国の製品が売れやすくなり、産業が成長しやすい・保護できる
  • 自国の雇用を生み出せる
  • 貿易赤字を解消しやすい

☝保護主義のデメリット

  • 自国内で需要を生み出さなければならないため、企業などが先行投資がなければならない
  • 生産コストがあがりやすいため、物価そのものが上昇しやすいが、賃金も同様に上昇しなければ、経済が急速に失速する
  • 海外への自由な輸出機会が失われる

 

 

保護主義は各国の関係性に影響を与える

上記に述べてきた通り、保護主義は、うまくいけば自国産業や労働者の保護として機能しますが、様々なリスクをもっています。

各国が保護貿易を取り、世界経済全体が縮小したり、各国の関係性が悪化しかねません。

今後もこの保護主義はもちろん、様々な外交関係のニュースには注目するようにしましょう。

 

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