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【図解】ボリンジャーバンドの仕組みと逆張りの使い方・シグナルをわかりやすく解説!

ボリンジャーバンドは、株価の上下に、帯状の線(バンド)を引いて、現在の株価の水準などを分析する、有名なテクニカル分析の一つです(^^)テクニカル指標を勉強し始めた方の人気も高く、わかりやすいものですが、使い方を間違えると、危険な売買となる可能性があります。今回は、ボリンジャーバンドの原理・仕組みと、基本的な使い方を見ていきましょう。

 

ボリンジャーバンドの仕組み

ボリンジャーバンドの原理には、統計学の「正規分布」という考えが応用されています。これは、よく模試などで使われる「偏差値」の考えに応用されています。

 

ボリンジャーバンドに使われている「正規分布」とは

正規分布の図解

正規分布の図解

正規分布とは、たくさんの数値のデータの平均をとり、平均を中心にして数値ごとに並べると、「高い確率で平均に近いほど数が多く、平均から離れるほど数が少なくなる」ということです。近い例で言えば、テストなどで使われる「偏差値」は、この真ん中である平均を50として、一人一人の点数が、どのくらい離れているかを表しており、やはり50から離れるほど、人数は少なくなっていきます。そのため、偏差値50のほど人数が多く、50から離れるほど人数は少なくなります。

☝多くのデータを集めるとほとんどが一定範囲の中に収まる

正規分布の割合

正規分布の割合

そして、標準偏差(データのバラつき具合)の単位の1つである、『σ(シグマ)』という記号で表すと、上の図のようになります。そして、全体のデータを、平均(偏差値でいう50)から、以下のような統計が出てきます。

  • 平均+1σと平均-1σの間に、約68.8%
  • 平均+2σと平均-2σの間に、約95.5%
  • 平均+3σと平均-3σの間に、約99.7%

この正規分布の考え方を、株価チャートに置き換えたのが「ボリンジャーバンド」です。

 

ボリンジャーバンドの見方・分析法

上記のようにボリンジャーバンドは「正規分布」の考え方が代入されています。つまり、終値が正規分布に当てはまるとなっているため、株価がバンドの終値のどこに位置しているかによって、その後の株価の推移を分析します。

「ボリンジャーバンド」は株価がこの中で収まる確率を示す

ボリンジャーバンドの構成の図解

ボリンジャーバンドの構成の図解

ボリンジャーバンドの基準となる、真ん中にある線は単純移動平均線」であり、言い返ると「終値の平均」です。グランビルの法則などからも、「株価は、移動平均線の近くにあることが多く、大きく放れたした数値を取る可能性は低い」という考えがあります。言い返ると、「株価と移動平均線との関係が、正規分布のようになる」と考えるのです。ちなみに、ボリンジャーバンドの作成者であるボリンジャー氏は、20日移動平均線をベースで考えています。

 

各バンドと株価の位置の関係性を考える

ボリンジャーバンドと正規分布

ボリンジャーバンドと正規分布

正規分布の考えが応用するので、「ボリンジャーバンドが示すバンドの中に、それぞれの確率で株価が収まる」と考えます。そのため、株価とボリンジャーバンドの位置関係は、

  • 約68.3%は+1σと-1σの間
  • 約95.2%は+2σと-2σの間
  • 約99.7%は+3σと-3σの間

収まると考えることができます。言い返ると、正規分布が成り立つのであれば、株価(終値)が±2σより外で終わる確率は約4.5%、±3σより外で終わる確率は約0.3%程度しかないとも言えるのです。

 

ボリンジャーバンドの「逆張り」の売買タイミング

ボリンジャーバンドの正規分布の考え方を考慮すると、「逆張り」の使い方が考えられます。また、ボリンジャーバンドの逆張りは、一般的な使い方として紹介される場合もありますが、大きなリスクを背負っています。それをしっかりと理解したうえで、内容を見ていってください。

ボリンジャーバンド±2σや±3σでの転換

ボリンジャーバンド±2σの売買タイミング

ボリンジャーバンドの基礎的売買タイミング

株価がボリンジャーバンドの移動平均±2σや±3σ付近になると、株価は転換しやすくなります。バンドの中に、高い確率で収まるということは、「移動平均+2σ以上➔売り」「移動平均-2以下σ➔買い」という、逆張りの参考材料と考えることができます。しかし、このボリンジャーバンドの逆張りは、これはある欠点をもっています。

 

ボリンジャーバンドだけの逆張りのエントリーは危険!?

◎もみ合い相場では利益が小さくなる

もみ合い相場でのボリンジャーバンドの例

もみ合い相場でのボリンジャーバンド

特にもみ合い相場でのボリンジャーバンドの±2σで、株価は反転する可能性は高いため、そこでエントリーができれば、利益を取れる確率は高いです。しかし、もみ合い相場では、株価の変動幅が小さい場合が多い為、100点満点のエントリーをしても、そこまで大きな利益はつかみにくいです。ボリンジャーバンドが±2σで反発・反転する場合は、もみあい相場というのが前提となるため、この逆張りで得る利益は少なくなります。


◎トレンド発生時にあてにならない

ボリンジャーバンドは、トレンドが形成するときに、+2σに沿う形で株価が変動することがよくあります。または、終値が±2σを突破することが、その方向へのトレンド発生のサインとなることもあります。

エクスパンションの図解(ボリンジャーバンド)

エクスパンションの図解(ボリンジャーバンド)

つまり、±2σにタッチしたことで、容易に逆張りをすると、大きなトレンドに対して逆らうエントリーを行ってしまうことになるのです。 このボリンジャーバンドを作ったボリンジャー氏も、株価が+2σを上回ってもても、売りサインでもないし、-2σを下回っても、買いサインでもないと、この売買に否定的です。もちろん、ボリンジャーバンドによる、逆張りエントリーを得意な手法としている投資家もおり、全ての注文に損切りを入れておけば、問題ないという意見はあると思います。経験が浅い方は、ボリンジャーバンドによる新規のエントリーは控えておくことがオススメです。

 

ボリンジャーバンドは逆張りだけじゃない

ここまでみてきたことをまとめると、ボリンジャーバンドは、

  • 「正規分布」という考えからできている
  • 真ん中の線は移動平均線
  • 株価とバンドを以下の関係で考える
    ・約68.3%の確率で±1σの中
    ・約95.2%の確率で±2σの中
    ・約99.6%の確率で±3σの中
  • トレンド発生時に、
    バンドに沿って株価が推移することがある

となります。

そして、ボリンジャーバンドの使い方はこれだけではありません。バンドの幅などを分析することで、『長期的なトレンドを分析し順張りを行うこと』も可能です。

 

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