一目均衡表の『雲(帯)』を使った見方・分析法
一目均衡表の「雲」を
使用した分析法
一目均衡表の使い方の1つに、
『雲』を使用した分析方法があります。
非常に奥が深い一目均衡表のなかで、
1つのポイントとなる分析法であり、
一般的なテクニカルを紹介するページや本では、
「ただ雲の説明をして終えてしまうような解説」もありますが、
原理を理解してこそ、
一目均衡表を使いこなすことができます。
おすすめは、
『先行スパン1』
『先行スパン2』をしっかりと理解してから、
雲の詳しい解説を学ぶのがおすすめです(^^)
一目均衡表における
『雲』とは?
一目均衡表における、
「雲」とは
「先行スパン1と先行スパン2の間の部分」
のことを言います。
(「帯」と言われる場合もあります。)
通常「雲」は、
証券会社のテクニカルチャートにて、
網掛けや薄い色によって
塗りつぶされていることが多い為、
一目均衡表を開くと、
すぐに雲がどこかを理解することができます。
この「雲」と株価の位置関係によって、
株価の動きを分析することができます。
雲=支持抵抗線
一目均衡表では、
「天気の悪い雲の下で雨を浴びるのか、
太陽を拝める雲の上で晴れを感じるのか」
と言われることもあり、
「雲」が支持線、抵抗線の役割を持ちます。
なお、後ほど詳しく説明しますが、
「雲が厚ければ厚いほど強い支持抵抗線となる」
とも言われています。
株価と雲のどちらが上にあるのかによって、
株価のトレンドを分析する方法があります。
【株価>雲の場合、上昇トレンド】
一目均衡表において、
株価が雲の上にある場合、上昇トレンドと
考えることができます。
雲が「支持線(サポートライン)」の
役割となり、
株価が雲の付近に一度近づいてから、
株価が再度上昇することがあり、
押し目買いをするチャンスと言われています。
なお、
このようにしてまず接触する線は、
「先行スパン1」であり、
綺麗な上昇・下落後であれば、
3分の1にあたり、
大きなトレンドが継続される場合、
一つの「押し目」のタイミングとして
意識されます。
こうでなく、株価が雲と接触する際、
先に「先行スパン2」と当たるような場合、
もみ合い相場となっている、
又は、トレンド転換となる可能性があります。
「株価<雲」の場合、下降トレンド
逆に、
株価が「雲」の下にある場合、下降トレンド
と考えることができます。
そして雲が、
「上値抵抗線」の役割となり、
雲の上にある場合と真逆で、
株価が雲の付近まで一度上昇してから、
再度下落をし始めることがよくあります。
この場合も、トレンドが出ている場合、
株価が先にぶつかるのは先行ライン1であり、
同じく3分の1戻しにあたるため、
トレンドが継続されるのであれば、
雲を1つのポイントとして、
反転しやすいです。
株価が雲の中に入る
=もみあいやすい
また、
株価が雲の中に入ったときは<、
「株価がもみ合いやすい」
とも分析することができます。
ここには、
仮に株価がそれまで上昇していたとして。
上昇していたあとに株価が下落して、
先行スパン1を突破したとすれば、
次に「半値押し」を伺う
「先行スパン2」の突破を目指すこととなります。
買い勢力とすれば、
これを超えて下落することが避けたい為、
先行スパン2より前で、
下げの食いとめを考えます。
逆にその時点での売り勢力は、
その半値を突破する下落を望むため、
大きな攻防ラインとなります。
株価が雲を突き抜ける
=トレンド転換
そして、
株価が雲を突き抜ける動きをした場合、
「トレンドが変化する」
と分析することができます。
上昇トレンドから下降トレンドに変わる場合、
株価が雲を上から下に突き抜け、
下降トレンドから上昇トレンドに変わるとき、
株価が雲を下から上に突き抜けると言われています。
上記の「先行スパン2の突破」が発生し、
雲が支持抵抗線の役割を果たしているため、
「大きな勢力の変化があった」と
分析することができます。
見ている方はわかると思いますが、
半値押しや半値戻しの概念からわかるとおり
「あっさりと抜ける場面が多い」ことも抑えておきましょう。
雲がねじれるとき
=トレンド変化しやすい?
雲は、先行スパン1と2の上下が変わるときに、
「雲にねじれ」が発生します。
この
「雲のねじれ」の部分で
相場の変化やトレンドの転換がおきやすいと考えられています。
しかし、実際に見てみると、
ねじれと株価の突き抜けが重なることは、
そこまで多いわけではありません。
そもそも、雲を形成する数値は、
25本前の数値です。
雲がねじれるということは、
先行スパン1と先行スパン2の
位置関係の逆転であり、
いわば25本前にトレンドが転換した、
チャート上で描かれている最新の雲がねじれれば、
現在トレンドが転換したと考えられるともいえます。
なお、雲が薄い状態は、
いわば25本前はもみあい相場の状態であり、
逆に雲が厚いということは、
25本前に大きなトレンドが発生したと考えることもできます。
「ねじれだから転換が起こる可能性が高い」ではなく、
「ねじれと重なることがある」と
考えておくのがいいでしょう。
「雲」の原理をしっかりと理解する
「雲」はわかりやすく、
重要なものの一つですが、
一目均衡表の作成者は、
他の分析法の方が重視しています。
また、雲が支持抵抗として成り立つのは、
『トレンドが発生しており、
それが、調整となるような反転をした場合』に限られます。
他の一目均衡表の分析法も、
しっかりと理解しておきましょう。