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【徹底図解】波動論の使い方・分析方法についてわかりやすく解説!【一目均衡表】

一目均衡表の「波動論」について、しっかり理解していますが?
一目均衡表の三大理論である「波動論」「時間論」「値幅観測論」と組わせることによって、「どのくらいの時期に、どのくらいまで株価が変動するのか」を推測することができます。

ここでは、一目均衡表の「波動論」についてわかりやすく解説していきます。

 

波動論とは?

波動の例

波動の例

波動とは、「高値から安値、または、安値から高値といった価格の連続した動きを、波ととらえたもの」です。

上記の図をよく見るとわかるように、矢印が引いてある大きな波動の中にも、小さな波動が存在します。
一目均衡表の「波動論」は、この価格変動によって自然に生まれる「波動」の形やパターンによって、相場を分析する方法です。
同じように相場の形を使用して相場を分析する、「ダウ理論」や「エリオット波動」とも、本来まったく関係がないにも関わらず、様々な似通った部分が多くあります。

 

 

基本波動とは

一目均衡表の波動論においては、「波動」の形に応じて、名前がついています。
その中でも、「I波」「V波」「N波」のことを、「基礎波動」といいます。この基礎波動を、現在の相場に当てはめることにより、現在のトレンドが継続しているのか、転換したのかなどを考えていきます。

また、波動論においては、「すべての波動はN波動に集約される」と考えますので、N波動の部分はしっかりと理解しておきましょう。

 

 

☝I波動

I波動の図解

I波動の図解

I波動は、高値から安値までの単純な波動のことです。上記の図の左側が、上昇のI波動、右側が下落の際のI波動になります。この波動1本1本を、1波、2波、と数えていきます。

 

 

☝V波動

V波動の図解

V波動の図解

V波動は、上昇のI波動と、下落のI波動が連続して出現する波動のことです。文字通りアルファベットの”V”の形をしていることから、V波動と言われています。いわば「全戻し」ともいわれる波動です。

☝N波動

N波動の図解

N波動の図解

N波動は、文字通りアルファベットの”N”の形をした波動のことです。左側が、上昇のN波動、右側が下落のN波動です。N波動は、I波動や、V波動で構成させることがわかります。V波動が2つ組み合わさってできると考えることができます。N波動を分解したものが、I波動、V波動と言い換えることができます。N波動になるためには、上昇N波動であれば、高値を上抜く、下落N波動であれば、下値を抜く必要があります。

☝複雑な波動(P波動・Y波動)

波動論の基礎波動である、「I波」「V波」「N波」以外にも複雑な形をした「P波動(縮小波動)」「Y波動(拡大波動)」が存在します。

 

☝P波動(縮小波動)

P波動:縮小波動

P波動:縮小波動

P波動は、徐々に上下の幅が小さくなりつつ、何度もその波動が続き、もみ合い状態になる波動です。
「縮小波動」ともいわれ、支持抵抗線を引くと、「三角持ち合い」のような形の波動と考えることができます。

基本的には、P波動では、高値が切り下がり、安値が切りあがる形がセオリーですが、高値が変わらず安値が切りあがるP波動や、下値は変わらないものの高値が切り下がるP波動も存在します。

☝Y波動(拡大波動)

Y波動(拡散波動)の図解

Y波動(拡散波動)の図解

Y波動とは、P波動とは完全に逆で、徐々に上下の価格変動幅が広がりながら繰り返す波動です。「拡大波動」とも言われ、高値が切りあがり、安値が切り下がることが基本的なY波動ですが、高値は変わらずに安値が切り上げる場合、下値は変わらずに高値が切りあがるY波動も存在します。

また下落相場のときに、安値圏でY波動が発生し、再度下落することもあります。この再下落の調整のY波動は、高値が切りあがるところで上昇転換と見える可能性がありますので、注意するようにしましょう。

☝もみ合い相場

もみあいの図解

もみあいの図解

Y波動、P波動ではありませんが、一定の価格内でのもみ合いの波動も存在します。高値と安値がそこまで変わらずに

☝すべての波動は「N波動」に集約される

すべての波動はN波動に集約される

すべての波動はN波動に集約される

一目均衡表においては、「すべての波動はN波動に集約される」と考えます。言い換えると「現在の相場のなかで、N波動を発見し、現時点がどの状態にいるのかを考える」ことが必要です。

上記の図のように、N波動は、上昇I波動、下落I波動、上昇I波動という組み合わせともいえるとともに、V波動2つが組合わさているとも言えます。

そして、N波動を見つけたあとは、値幅観測論を用いて、ターゲットを考えていきます。

N計算値の図解

E計算値の図解

値幅観測論には、E計算、N計算、E計算、NT計算などがあり、それぞれのターゲットがあります。
さまざまな目線をもとに「N波動をどう探すか」がカギになります。

P波動やY波動のN波動の集約

P波動やY波動のN波動の集約

P波動やY波動でも、支持抵抗線を突破した方向にトレンドが出ると考え、最終的にはN波動になると考えます。

詳しい「ターゲット」は、時間論や値幅論を参考に、理解していきましょう。

 三大理論を組み合わせて考えていく

ここまで、一目均衡表の「波動論」について詳しくみていきました。波動論を用いて、現在の株価の波動を理解し、相場を分析していくとともに、「N波動を探す」ことが最も重要です。

また、一目均衡表の基本波動は、上昇・下降トレンドにおいても、「3波構成」が重要と考えます。すべての価格の変動が、N波動に集約され、そのN波動が3波構成で、上昇トレンド、下降トレンドを構成すると考えます。

また、一目均衡表は、

  • 時間論:トレンドが転換するタイミングを推測する
  • 波動論:チャートの形を見て、そのあとの動きを推測する
  • 値幅観測論:上値と下値の目標値を推測できる

という三大理論を総合的に利用した上で、先行スパンといった各指標で分析する必要があります。

このように資産形成を独学だけで勉強しようとすると、

  • 本来知っているはずべきの知識を知らなかった…
  • 知識が先行してしまい、最も重要な考え方ができていなかった…

という状況に陥ってしまうことがあります。

さらに、デイトレードのようなハイリスクハイリターンの金融商品を一人で運用していると、

  • 冷静に考えれば間違っていたのに、損切りや利確ができなかった…
  • メンタルがうまくコントロールできなかった…

というハードルを超えるのがとても高いです。しっかりと利益を積み重ねていくためにも、自分に何が足りないのか、どういったことを学ぶべきなのかを振り返ることができる環境を作るようにしましょう。

 

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