テクニカル分析の元祖『ダウ理論の6つの基本原則』をわかりやすく解説!

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目次
ダウ理論とは?
ダウ理論(ダウセオリー)とは、、テクニカル分析のパイオニアの1人とも言われる、チャールズ・H・ダウ氏が提唱した、「株価の値動きを評価するための理論」です。テクニカル分析の基礎とも言われ、世界中のプロの投資家に重宝されて100年以上の歴史を持ちます。
ダウ氏は、
- NYダウの開発
- ダウ・ジョーンズ社設立
- ウォールストリート・ジャーナルの発行
など、現在の経済を左右する様々なものを作った張本人であることもあり、ダウ理論は世界中の投資家たちが最初に学ぶことが多いです。
☝ダウ理論の6つの基本分析
ダウ理論は、「6つの基本原則」によって構成されています。
「ダウ理論」によって見えてくる株価のトレンドは、経済に対する心理的な要素を含めた景気の実態を表しています。
◇平均は、全ての情報を織り込んでいる
ダウ理論の1つは、「平均はすべての事象を織り込んでいる」というものです。
平たく言うと株価は、世界中のありとあらゆる『材料』によって変動します。
その材料には業績発表から、要人の発言、 経済指標、自然災害、不祥事の発覚など、世界中のありとあらゆるものが影響を与える可能性が与えます。
そして、その情報に対し、予想ができるもの、予測ができないものも含め、投資家それぞれの判断を行いますが、最終的な相場が動く要因は、「その銘柄が買い勢力が多ければ上昇し、売り勢力が多ければ下落する」というだけです。
そして、世界中の投資家が、それぞれのその材料の読み取り方をもとに、「新規注文」「利食い」「損切り」など、様々な市場でトレードを行っています。
こういった、ありとあらゆる材料を織り込んだ結果が、現在の株価という考えです。
そして、そのありとあらゆる材料で成り立つ価格の動きをもとに、分析する方法がテクニカル分析であり、「テクニカル分析は、材料が全て含まれている」とも言い換えることができます。
◇株価の変動には、3つの変動がある
ダウ理論において、株価には、
「長期トレンド」「中期トレンド」
「短気トレンド」の3つのトレンドがある
と主張しています。
そしてその3つのトレンドが、
高値も安値も切りあがっている「上昇トレンド」と、
逆に高値も安値も切り下がっている「下落トレンド」を
形成していると言われています。
⑴長期:1年から数年
⑵中期:3週間から3カ月
⑶短期:3週間以下
また、この中で、
期間の広いトレンドは、
小さなトレンドが積み重なることに
よってできると考えられています。
そのため、
長期トレンドの動きに対し中期トレンド、
中期トレンドに対して短期トレンドが、
構成することになり、
時には調整の動きをするとされています。
そして、その調整の動きは、
「半値戻し」「半値押し」
「3分の1や、3分の2戻し、押し」となる
例が多いとされています。
◇トレンドは3段階で構成される
ダウ理論では、発生したトレンドには、
「先行期」「追随期」「利食い期」の3種類がある
と考えられています。
・先行期
先行期は、トレンドの発生の部分であり、
全ての株価を下げる悪材料が、
相場に織り込まれ、
底打ちと考えられる状況のことです。
しかしここで、独自の情報網を持っている
プロ投資家などの一部の投資家たちは、
この時点で底値での買いを仕掛け始めています。
・追随期
追随期は、先行期で上昇し始めた株価に、
さらに多くの投資家が買いを入れる状況です。
ここで、株価は急速に上昇すると言われています。
・利食い期
先行期に買いを入れた投資家たちが、
利益確定の売り注文を入れている状況のことを言います。
売り勢力が強まりはじめ、
上昇スピードが弱まる部分でもあります。
なお、ニュースなどのメディアでは、
「強気」であることが報道されると
言われています。
◇平均は相互に確認されなければならない
複数の平均のテクニカル指標がある場合、
その両方のテクニカルで同じシグナルが出ていない限り、明らかなトレンドにはなっていないと考えます。
ただ、それは同時でなくとも構いません。
例えば、自分が取引の主軸とする時間軸がどのようなトレンドなのかを見抜き
短い時間軸、長い時間軸それぞれの状況を確認する必要があります。
◇トレンドは出来高でも確認しなければならない
トレンドを分析するうえでは、
その上昇に出来高の上昇も伴っているかを
確認しなければならないと主張されています。
上昇トレンドの時に、
例え相場が上昇したとしても、
出来高が少ないときには、
トレンドが明らかになっていないと考え、
出来高が多くトレンドが明確な場合に取引を行えば、
多くの利益を得ることができると言われています。
下降トレンドの時は、この逆が発生します。
◇トレンドは、明確な転換シグナルがおきるまで継続する
トレンドは、明らかな反転のサインが出るまで継続する可能性が高いと言われています。
ここでいう上昇トレンドでは、
高値も安値も切りあがる状態を指し、
下降トレンドでは、
高値も安値も切り下がる状態のことを指しています。
もちろん、そのときに、
「どこがその意識される高値安値なのか」は、注意する必要があります。
「損小利大」の考えを遂行するためには、
トレンドについていく売買を行い、
それを手仕舞いをするタイミングは、
「明らかに転換となるタイミング」がよいとされています。
◇ダウ理論は現代でも通用する?
ダウ理論は100年以上前に提唱されたものですが、
現在の相場においても、充分に通用すると考えている投資家も多くいます。
具体的手法というよりも、
投資の考え方の面が強い為、
自己のルールなどにも、
応用してみてもいいかもしれませんね。