「ECB」「欧州中央銀行」とは?わかりやすく解説!
「ECB」は欧州中央銀行のことで、ユーロ圏の中央銀行です。為替市場を中心に、ECBの動向が相場に大きく影響を与えます。この「ECB」とはどのような組織なのか、しっかりと理解しておきましょう。
目次
ECBとは?わかりやすく解説

ECB
ECB(European Central Bank)とは欧州中央銀行のことで、「ユーロ」を導入しているヨーロッパ19か国の中央銀行のことです。「ECB理事会」で決定される金融政策を用いて、ユーロ圏の物価の安定、景気の調整を目的としています。ECBの政策や見通しはユーロ相場やヨーロッパだけでなく、世界各国に影響を与える可能性があるため、多くの投資家から注目を集めています。
☝ECBの目的
上記のようにECBは「ユーロ圏の物価の安定」を目的としています。この物価安定という前提を妨げない範囲に限り、「雇用の創出」や「経済成長」を行っています。この目的を達成するために行う金融政策は、6週間に一度行われる「ECB理事会」によって決定されます。政策発表の後にはECB総裁の会見が控えていることも多いため、ユーロを中心に相場に大きな影響を与えます。
☝原則国や政府とは関係しない
ECBは「高い独立性」を持っており、各国政府と明確なつながりがあるわけではありません。ユーロを使用している各国の政府や要人、EU関係者などに直接影響を受けずに、独立したECB政策理事会の参加者によって、ユーロ圏の金融政策が決定されます。
なお、ECBは組織図などをドイツ連邦銀行をモデルにしていることもあり、金融政策の方針として、FRBと比べて、インフレを抑制する傾向が強いといわれています。
☝ECBの基礎情報
ECBの基本情報は以下の通りです。
- 設立:1998年6月
- 本部:フランクフルト(ドイツ)
- 通貨:ユーロ
☝ECB歴代総裁
ECBの総裁を務めたのは以下の通りです。
- 初代総裁:ウィル・ドイセンベルク(オランダ)
- 2代総裁:ジャン=クロード・トリシェ(フランス)
- 3代総裁:マリオ・ドラギ(イタリア)
なお、ドラギ総裁の任期は、2019年11月1日までです。
☝ユーロ使用圏
以下の国や地域で共通通貨ユーロが使用されています。
- アイルランド
- イタリア
- エストニア
- オーストリア
- オランダ
- キプロス
- ギリシャ
- スペイン
- スロバキア
- スロベニア
- ドイツ
- フィンランド
- フランス
- ベルギー
- ポルトガル
- マルタ
- ラトビア
- リトアニア
- ルクセンブルク
☝ユーロ各国にもそれぞれ中央銀行は存在する
ECBはユーロ圏の中央銀行に当たり金融政策を行いますが、ユーロ加盟国それぞれにも中央銀行がは存在します。ユーロ加盟国の中央銀行総裁は、ECBの金融政策を決定する理事会に参加します。