【図解】株式分割とは?初心者にもわかりやすく解説!
「株式分割」という言葉がいまいちわからないという方はいらっしゃいませんか?
ここでは、株式投資の経験がない方や、学生でもわかりやすく「株式分割」について解説します。
「株式」の仕組みををしっかりと理解していない場合、こちらをご覧ください(^^)
目次
株式分割とは?

株式分割の図解
株式分割とは、すでに発行している株式を、1株を2株のように、決められた割合に分けることを言います。その株式を保有している場合、分割された株式が割り当てられます。
その分割の割合は、2倍や3倍といった整数だけでなくものだけでなく、1:1.5のような分割が行われることもあります。
なお、株式分割をしても、理論上その株価は分割された割合に応じて下がることになりますが、所有している資産としての合計額や、その企業の時価総額は、理論上は変わりません。
⇒時価総額とは?わかりやすく解説
株式分割の例
では、上記の図を用いて、株式分割の例を見てみましょう。
例えば、ある株価1000円の株式を2株保有していたとします。そうすると、その株式で2000円の価値を持っていることになります。(実際の市場では、このような保有の形はありませんが、説明のしやすさからこのような形で説明します。)
その企業が、「1:2の株式分割」が行われることになったとします。
すると、持っている2株が4株に分割され、1株の株価が500円となります。
しかし、保有している総額は変わりません。
つまり、株式分割を行っても、保有している株価は半減するものの、時価総額は変わりません。
なぜ企業は株式分割を行うのか
株式分割を行うのは、企業側からすればメリットがあります。
企業が株式分割を行う理由を見ていきましょう。
株式の流動性を高めるため
株式分割を行う理由の1つとして、「株式の流動性を高めて、様々な人に投資家になってもらうこと」ということがあります。
⇒「株価の流動性」とは?わかりやすく解説
例えば、「1株100万円の株式」があったとします。
その株式がほしいと思う人がいたとしていも、100万円となると、その株価に手を出そうとすることに躊躇していまう人は多いでしょう。
そして、その企業が、「1:5の株式分割」を行ったとします。
すると、1株当たりが20万円になり、手を出しやすくなる投資家が多くなります。
そうすることで、投資に必要な金額を下げて株式を買いやすくなり、様々な投資家がその企業の株式を買うことができるようになり、事実上「投資してくれる人」が増えるのです。
⇒「株式」について詳しく学ぶ
株式の「指定替え」を目指すため
企業が株式分割を行う目的として、「指定替えを狙うため」というものもあります。
「指定替え」とは、「所属している証券取引所を移動すること」のことです。
たとえば、「東証二部から東証一部に移動するケース」、「マザーズから東証2部」というようなものを言い、「上位の証券取引所に移動する条件を満たすため」ともいえることができます。
⇒証券取引所とは?
企業は一般に、上位の証券取引所に上場していれば、社会的に大きな信頼を得ることができます。
より位の高い取引所に指定されるためには、
- 株主数
- 流通株式数
- 売買高
- 時価総額
などの厳しい様々な条件を満たす必要があります。
株式分割を行うことで、その企業の株式を保有している株主の人数も増え、流通している株式数も、売買される回数も、増やすことができる可能性が高いです。
株式分割の際の投資家への影響
では、株式分割をする株式を保有している場合の、投資家への影響を見ていきましょう。
基本的には、株式分割が起きると投資家にはよいことづくしで、大きなデメリットはありません。
売買の選択肢を広げることができる
上記のように、株式分割は、会社の株価は半分にあるものの、会社の価値は変わりません。
しかし、株式分割前まではできなかった「一部だけ売買する」というような、売買の選択肢を増やすことができます。
例えば1株10万円の株式が、1対2の株式分割が行われ、1株5万円の株式が2株ある状態になれば、「半分だけ売る」というようなこともできます。逆に、その株式を買いたい人も、買いやすくなります。
すなわち、株式分割が発生することによって投資家は、その銘柄の取引が増え、「流動性が高まる」とともに、注文の選択肢を増やすことができます。
インカムゲインがよくなる可能性がある
株式分割が行われることにより、配当や株主優待といった、インカムゲインがよくなることが多いです。
⇒インカムゲインとは?わかりやすく解説!
株主分割があって株価が半分におちたとしても、「1株あたり○○円」というような配当の方法に変更がなければ、分割で増えた株式の割合分配当が増えることになります。
もし、仮に配当が半分になったとしても、株式分割の割合が1対3だとすれば、配当金は事実上増えることになります。
さらに、「株主優待」に関しても、同様に優待となる条件に変更がなければ、分割前よりもよい条件で株主優待を受けることができます。
株式分割を行うことにより、購入するのに必要な金額を下げることで、より様々な人がその銘柄を買うことができるため、一般に株式分割後にその株価は上がりやすいと言われます。
株価自体がその後上昇する可能性がある
上記のように、株式分割が発生しても、保有している株式の総合計の価値や、企業の時価総額が変化はありません。
しかし、株式分割をきっかけに、株価が上昇する可能性があります。
→株価が変動する理由
まず、株式分割により、流動性が高くなることにより、個人投資家が買いやすくなるため、今まで「買いたかったが買えなかった」層の売買が現れます。
さらに、株式分割をする目的が指定替えであれば、その企業の姿勢を市場から評価され、さらなる成長を見込んだ買いも入ることになります。
一概に株式分割=株価上昇とは言えませんが、株式分割は好材料になりやすいということは、頭に入れておきましょう。
株式分割をあえてしない企業もある
すべての企業が積極的に株式分割を行おうとしているわけではありません。
基礎に戻れば、「会社は株主のもの」です。その株主の中には、その会社のことがわかっていないのにも関わらず、株主総会で文句ばかり言うような、質の悪い株主も出てきます。
⇒「株式」とは?
さらに、単純に株主総会や株主優待の発想のような、コスト面での問題も出てきます。
そのため、ある程度株主の数・質を選定するために、株主分割を行わない企業もあります。
株式併合をする場合もある
株式併合とは、株式分割の逆で、2つの株式を1つにするというような、複数の株を1つにするものです。
ここでは詳しく扱いませんが、1株あたりの株価が低すぎる場合などに行われるほか、2018年から、株式の売買単位が100株に統一されることが決まっているため、これに対応するための株式併合も行われています。