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【まとめ】現在の日本銀行の金融政策!

2020年現在、日本銀行は、「長短金利つき、質的量的緩和」を導入しており、「金利」・「質」・「量」の3次元で金融緩和を進めています。

こういった日本の金融政策をが決定する日銀金融政策決定会合は、相場に大きな影響を与える可能性のあるイベントです。

ここでは、日本銀行金融政策について、「現状行われている政策のポイント」まとめてありますので、しっかりと把握しておきましょう!!

『マイナス金利』

日銀のマイナス金利の概要

日銀のマイナス金利の概要

民間銀行が、日本銀行に預けている「日本銀行当座預金」に「-0.1%のマイナス金利」を適用しています。このマイナス金利が導入されるまえは、民間銀行は当座預金に預けていれば、0.1%の利子をもらうことができました。そのため、せっかく銀行にお金があっても、「リスクのある企業や個人にわざわざ貸し出さなくても、日本銀行に預けておけばお金が増える」状態でした。

しかしマイナス金利が導入されたことにより、「民間銀行は日銀にお金を預けていれば、そのうちの0.1%分を日銀に支払わなければならない」ことになりました。これにより、銀行が「お金を企業や個人に貸し出す」ことに積極的になり、投資や消費活動が増えることを目的としています。

日本銀行は副作用が大きいことが懸念されているものの、必要と判断される場合、このマイナス金利を調整するとしています。

『マイナス金利』とは?知識0からでもわかりやすく解説!

金融市場調節方針

マネタリーベース

マネタリーベース

日本銀行は、マネタリーベース(世の中に出回っているお金の総額と、日銀当座預金の合計)が、年間約80兆円に相当するペースで増加するように、金融市場調節を行っています。ひらたくいえば、お金がたくさん市場に回っている状況を作り、景気をよくしようとしているのです。

ちなみに、2013年4月の黒田バズーカより、金融市場調節の操作目標を、無担保コールレート(オーバーナイト物)からマネタリーベースに変更しています。

『資産買入れ方針』

日銀の金融政策のなかでの「質」と言われる部分の政策についてみていきましょう、

長期国債買入れの拡大と年限長期化

マネタリーベース増加のイメージ

マネタリーベース増加のイメージ

長期国債の保有残高が、年間80兆円程度になるペースで増加するように、買い入れを行っています。国債の多くは銀行が保有しているため、この買い入れによって民間銀行にお金が増えることになり、市場に貸し出すことができるお金が増えることになります。ちなみに、平均の残存期間を、7~8年程度としています。

⑵ETF・J-REITの買入れの拡大

ETFができるため

ETFができるまで

日本銀行は、ETFおよびJ-REITの保有残高が、ETFが、年間約12兆円、J-REITが、年間約900億円に相当するペースで増加するよう買入れを行っています。

なお、日銀が直接なにかしらの株式を購入することは禁じられていますが、ETFではOKです。ETFの買い入れにおいては、「2.7兆円をTOPIXに連動するETFを対象に、銘柄ごとの時価総額に比例するように買い入れる」としています。「日銀の買い」という表現がされた場合、このETF購入のことを示しています。

オーバーシュート型コミットメント

約束

オーバーシュート型コミットメントとは、「2%の物価安定の目標」の実現のため、これを安定的に、物価目標を超えるまで、持続するために必要な時点まで継続すというものです。

これが導入された2016年9月までは、日銀が金融緩和を終了するタイミングが、目標とする物価目標が2%になった瞬間なのか、2%なると確信が持てた瞬間なのかなど、
「いつ緩和姿勢をやめるかわからない」状態でした。これを「目標達成するまで緩和姿勢をやめることはない」として、市場に安心感を与えました。

イールドカーブコントロール

イールドカーブコントロールのイメージ

イールドカーブコントロールのイメージ

イールドカーブとは、横軸に債券の残存年数、縦軸に最終利回りとし、各債券の対応する点をつないだ曲線のことです。全ての債券にて使われる言葉ですが、ここでは、日本国債のことを指します。そして、イールドカーブ・コントロールとは、金融市場調節によって、長期金利と短期金利の操作することです。

導入時の2016年9月時、の金融政策によって、このイールドカーブが、期間の短いものだけでなく、長い金利も大幅に低下したことで平たんになっていました。このことが国債を運用する銀行や保険会社などに、悪影響が強く出始めたため、この曲線を、正常化する必要があったため、このイールドカーブコントロールが導入されました。短期金利は、日銀当座預金のうち、政策金利残高にマイナス金利を適応し、長期金利は、10年物国際金利が、0%程度で推移するように、長期国債の買い入れを行うようにしています。

金融政策の結果と相場の動きを見極める

このように、現在日本銀行は、「長短金利付き質的量的緩和」行っています。金融政策決定会合の前には、「今、どういった政策が行われているのか」を、しっかりと確認するようにしましょう。例えば、ETFの買い入れ額が増加」といっても、「いくらから、いくらになったのか」によって、受け取り方が変わるため、現在の金額も把握する必要があります。しっかりとシナリオを立てることと同時に、リスクをしっかりと把握したうえで、長期的なシナリオ作り、ポジション取りを行いましょう。

 

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